5月号

私のイチオシ神戸|愛らしくもたくましい植物たちに出会う「六甲高山植物園」
今回私のイチオシは、昭和8年に開園した「六甲高山植物園」です。
標高865mに位置し、神戸市街地との気温差はおよそ5、6℃。夏は涼しく、冬は雪が積もることもある冷涼な気候を活かして、日本や世界の高山植物を中心に約1500種を植栽しています。
4月下旬から6月にかけて一斉に花開くロックガーデンは、高山の岩場を再現し、自然に近い状態で鑑賞できるように工夫されています。背丈が10㎝にも届かない小さな植物たちですが、可憐に見えて実はとてもしたたか。雪や強い風など、厳しい環境で生き抜くための様々な知恵に感動させられます。スタッフの園内ガイドに同行して、そんな植物たちの知られざる魅力を聞くのも楽しみのひとつ。
ブナやカエデが立ち並ぶ樹林区もおすすめです。初夏は新緑がまぶしく、夏には天然のクーラーのような涼しさ、秋には紅葉に目を奪われるなど、季節ごとに移ろう風景を楽しめます。
たくましく生きる植物たちの姿を見ていると、いつも新しいエネルギーをもらったような気がします。

“ヒマラヤの青いケシ”と呼ばれる「メコノプシス・ベトニキフォリア」はヒマラヤの秘境に咲く希少な花。5月に見ごろを迎え、園内でも人気が高い

秋になると、標高の高い六甲山では、市街地よりも早く紅葉する

桃色の愛らしい花と、約1mにもなる長い根をもち、日本の高山植物の女王と称されるコマクサ。5月~6月に高山帯を模したロックガーデンで見ることができる


■六甲高山植物園
神戸市灘区六甲山町北六甲4512-150 TEL:078-891-1247
開園期間:2016年11月23日(水・祝)まで
開園:10:00~17:00 (16:30受付終了)
入園料:中学生以上620円/4歳~小学生310円
休園日:2016年9月1日(木)・8日(木)

森下 絵里 さん
六甲山観光株式会社
営業企画室