10月号
harmony(はーもにぃ)Vol.68 ユーモアとは“にもかかわらず 笑うこと”
ドイツ人のアルフォンス・デーケンさんは、1959年に来日し、上智大学で教鞭を執り、「死の哲学」「人間学」「生と死の教育」などの講座を持ちましたが、来日当初は日本ではまだ死を忌み嫌う感覚があり、死生学を提唱し、日本で広めて行くにはかなりの抵抗があったようです。1982年には「生と死を考える会」を発足し、「死の準備教育」を始めました。
デーケンさんは世界中の200あまりのホスピスを訪問し、生と死について研究してきましたが、人間が最期を迎えるときに「ユーモア」の大切さを強調しています。ユーモア哲学の研究もデーケンさんのライフワークだったのです。
「ユーモアには死への過剰な恐怖や不安を和らげたり、緊張をほぐして怒りの感情を鎮め、人生の苦悩のさなかにあっても自分を客観視して笑い飛ばせる効用があります。テキサスにあるカトリック系の病院では「毎日1回は患者を笑わせましょう」という運動を奨励していました。するとその病院の入院患者は他の病院より早く退院できるようになったというのです。ドイツで一番有名なユーモアの定義は、ユーモアとは“にもかかわらず”笑うことである、といいます。「自分は今苦しんでいます。しかし、それ“にもかかわらず”相手に対する思いやりとして笑顔を示します。」と言う意味で、これが真に深みのあるユーモアだと思います」と語っています。
病院や、ホスピス、死にゆく人たちの看護の中にユーモアや笑いを取り入れるのは難しいかも知れません。にもかかわらず、だからこそ、より必要なのでは、と思います。
ある患者さんの川柳に「看護師さん 下から見れば みな美人」というのがありました。
クスッと笑えて、和やかな雰囲気が拡がりそうですね。
愛の手運動は
親に育てられない子どもたちに、
里親・養親を求める運動です。
募金箱の設置にご協力いただける方は
協会にご連絡ください。
公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所
神戸市中央区橘通3-4-1
神戸市総合福祉センター2F
TEL.078-341-5046
https://ainote-kobe.org
E-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jp