5月号
スポーツ文化創出の拠点 母港〝マザーポート〟に|Produced by HAYAKOMA Vol.4
女子ラグビーチームKOBE FAST GYRO
スーパーバイザー・記虎敏和氏の下、新体制スタート!
神戸港開港以来、海外に向け開かれた街・神戸にはラグビーにおいても長い歴史がある。1876年、内外人公園(現在の東遊園地)芝生広場で、外国人居留地内に開設されたスポーツクラブK.R&A.C.(神戸レガッタ&アスレチッククラブ)メンバーと入港した英国艦船の船員たちがラグビーで対戦し、これが日本で初めての試合といわれている。市内では多くの子どもたちが幼少期からラグビーに親しんできた。ところが、中高生になると続けられる環境が県内・市内には整っていない。特に女子の場合はごくわずかに限られるのが現状だ。そこで、早駒運輸株式会社は、地域・世代を越え、ラグビーの魅力と文化を神戸から発信。県外で活躍する選手が再び帰ってきたくなる母港(マザーポート)となるべく立ち上がった。
日本を代表するラグビー指導者を迎えて
2019年5月に、「KOBE FAST GYRO(神戸ファストジャイロ)」が誕生し、翌月、神戸市を中心とする企業の賛同を得て後援会を発足。同年11月には「一般社団法人神戸ファストジャイロ」を設立した。そして22年4月、日本を代表するラグビー指導者・記虎敏和氏をスーパーバイザーとして迎え、乾あゆみ氏をヘッドコーチに、杉本七海氏をS&Cコーチとして新体制をスタートさせた。記虎氏は啓光学園(現・常翔啓光学園)高校ラグビー部監督、総監督を務め、全国高校ラグビー大会4連覇という未だ破られることのない偉業を成し遂げている。女子ラグビーにおいても初代監督として「三重パールズ」を国内最高峰「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」4回の優勝に導いた。
新体制発表記者会見が3月21日、サロン・ド・エルミタージュで行われ、渡辺真二・神戸ファストジャイロ代表理事(早駒運輸株式会社社長)は、「コロナ禍で、この2年間なかなか活動ができず選手たちも苦しい時期を過ごした。4月から新体制をもってもう一歩踏み出そう!という気持ちで記虎先生を迎えた」と期待。記虎氏は「今漕ぎ出したばかり。これから来るだろう大きな波にも打ち勝てる強い選手とチームになってほしい」と話した。専属トレーナーを務める佐藤義人氏からビデオメッセージが届き、今後への意気込みを語った。最後には新メンバー8名が紹介され、これからの成長が楽しみだ。
苦行を強いるのではない楽しむ姿が本当のスポーツ
ご支援いただいている賛助会員様には、コロナ禍でチームとの交流の機会を設けられず苦しい思いが続いていたが、今回、boh boh KOBEにて、「記虎敏和氏による特別講演『紅蓮たれ』」が開催された。啓光学園時代、ニュージーランドで本場のラグビーを見て勉強する機会を得た記虎氏が見たのは、広くて緑いっぱいのグラウンド、選手たちの笑顔、子どもからお年寄りまで一日中ラグビーを楽しむ人たち。「グラウンドで『私語はやめろ、笑うな、集中しろ』と指導をしてきた私のラグビー観がガラッと変わりました。これが本当のスポーツ。今までの自分は苦行を強いていただけだ」と気付かされたと言う。「まず選手を見る。そして理解し、認めて褒める。可能性を信じて、焦らず待つ」。自身が学んだ指導者の有り方について語った。4月16、17日に行われたリージョナルウィメンズセブンズ2022にて5位という成績を残し、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2022への切符を勝ち取った。6月4、5日の試合でも活躍が期待される。
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