8月号
KOBECCO お店訪問｜イタリアン R.Marco
引き算のイタリアンで魚の美味しさを再発見
「本場より美味しい」。サンセット通りにあったバー「カザノバ」のママ、イタリア在住歴30年のカヨコさんにそう言わしめた鯉川筋のトラットリア・マルコが、4月に元町6丁目で復活！厨房に立つ鍜治亮一さんの丁寧な仕事も昔と同じだ。
メインは魚介に徹している。淡路産など瀬戸内の海の幸を中心に、神戸最古の鮮魚店、なみきから仕入れるが、その日イチを使うので当然、旬のものが器を彩る。何を喰えるかは海次第だが、予約時に食べたい魚のオーダーも大歓迎だ。
美人に厚化粧は無用。佳き素材が秘める深い旨味や滋味を、奇をてらうことなく和の要素を採り入れたイタリアンの技法で引き出す。メニューはコースのみで、一皿ごとに変化に富み満足感が大きい。
カウンター席のみのオープンキッチンで、繊細な手の動きから美しい料理が生まれるマジックも楽しもう。お魚好きのシニア、グルメな大人はもちろん、「小さい頃から本当に美味しいものを」と子どもも歓迎。今は亡きカヨコさんが愛した味は、間違いない。
自家製手打ちガルガネッリを、風味の濃い北海道産毛がにの身とフレッシュなトマトのソースと合わせた絶品パスタ
岡山産まながつおの炙りをカルパッチョで。脂が乗った白身をナスタチュームやういきょうの花など爽やかなハーブと
有機ミディトマトと瑞々しさが特徴の桃、日川白鳳を冷製カッペリーニで。鯉川時代からの夏のスペシャリテ
大ぶりな岩がきはセモリナ粉をまぶし旨味を封じ込めて焼き、2種の珍しいなすとともにシンプルなオイルソースで
黒糖のティラミスはカカオパウダーの苦みがアクセント。自家製レモンタイムのジェラートはミルキーながら爽快感あり
ふっくらとしたあこうの身が上品なアクアパッツァ。骨とあさりから出た濃厚なスープは、リゾットでも堪能しよう
「料理人は子どもの頃からの夢でした」と、オーナーの鍜治さん。
名店、ターナ・トツボで腕を磨いた
R.Marco
■神戸市中央区元町通6-5-12
■TEL.078-384-3710
■ランチ12:00・ディナー18:00一斉スタート
■コース¥5,500・¥7,700（税込）
■完全予約制
■水曜休み
