11月号
幸せな人生を送るために ~高齢者施設とは?~
神戸市医師会垂水区在宅医療・介護連携支援センター
地域でいかにして高齢者の暮らしを支えていくか?これは、日本全国の問題でもある。そんな中、神戸市医師会垂水区在宅医療・介護連携支援センターが取り組む、地域ケア・職種連携の活動が脚光を浴びている。これまで、高齢者の暮らしを支える医療について、4回にわたり演劇を実施してきた。
5回目となった9月22日の市民フォーラムでは、「幸せな人生を送るために~高齢者施設とは?~」をテーマに開催。会場となった神戸市立垂水区勤労市民センターは、立ち見が出るほどの多くの市民がつめかけた。「介護施設は何種類あるのか?」「何を基準に選べばいいのか?」。そんな多くの人々の疑問に答えるべく上演された。
今回のストーリーは、くじめ内科医院(長田区)・久次米健市先生演じる石ケ原裕次郎が、介護施設のツアー見学に参加するというもの。中でも「ひ(費用)・い(医療)・き(期間)・に(人数)・し(支援内容)・て(手続き)・や(夜間の体制)」をキーワードに調べるとよいとアドバイスされ、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)を順番にめぐり、その違いについて紹介する。
また、介護施設の入居をめぐっては、「優先的に入居できます」と優先券なるものを販売し、金銭をだまし取る詐欺も多く、その場面では、歌手で俳優の佐川満男さん(垂水区在住)が刑事役で特別出演。悪徳業者を見事に逮捕した。さらに、味のある歌声まで披露して拍手喝采を浴びた。
今回の演劇には、19職種70名の専門家が参加。全員が専門家だけあって、台詞の一言一言に説得力があった。難しいテーマではあったが、2時間30分の劇では、笑いも多くとり入れ、参加者も時間がたつのも忘れて熱演を楽しんだ。終演後、次回の公演が待ち遠しいという声もあがった。