9月号
次世代を担う若手経営者が集う勉強会 コウベ フード カンパニー
神戸の食品企業の若手経営者が集まり勉強会を行う「コウベフードカンパニー(KFC)」。メンバーは、先代から家業を継いだ経営者、これから家業を引き継ぐ経営者などで結成されている。同じ立場の若手経営者が共に学び、社業を発展させていくことで、神戸にも貢献していきたいという目的を共有している。
7月に行われた会合では、メンバーの一人であるケンミン食品株式会社の高村祐輝社長がケンミン食品の歴史、今後のビジョンなどについて講演。台湾出身の高村健民氏が創業したケンミン食品は、「ケンミンの焼ビーフン」で知られる。古くは『ピーマン入れんといてや~』の懐かしいCMでおなじみだったが、現在ではグルテンフリーのビーフンがアメリカを中心とした海外で注目を集め、シェアを広げているという。「※HAVE A RICE DAYR(ハブアライスデイ)」のテーマのもと、「誰がブランドを作るか、といえば、社員が作る」と高村社長。「そのためには社員全員が会社を知って、誇りに思うことが重要だと考えています。それによってブランドが作られる」と、社員たちが自社を知り、互いにコミュニケーションをとれる環境づくりに力を入れていると語った。
また、先代の高村一成会長も参加して、積極的な質疑応答が行われた。「事業継承を行った際、まず行ったことは?」という質問には、「ケンミン食品の知名度の向上と、優秀な人材の確保」など、これから事業継承を行うメンバーたちにとっても貴重な機会となった。
※「HAVE A RICE DAY」は、エム・シーシー食品株式会社の登録商標です。
講演の後、それぞれのメンバーに感想と、今後の会に対する思いを伺った。
有馬 幹人さん
(株式会社有馬芳香堂
専務取締役)
有馬芳香堂は、大正10年創業の豆菓子のメーカーで、私で四代目にあたります。この会のメンバーは、どなたもが神戸の企業で、父親の世代も一緒ということで共通点がたくさんありますので、共に神戸を盛り上げていければと思います。私自身は11月に営業も兼ねて家族でマレーシアに移住予定なのですが、海外での勉強会なども開催できれば楽しいですね。
道満 龍彦さん
(オリバーソース株式会社
企画室長)
私はオリバーソースの企画室長として昨年まで東京にいましたが、神戸に帰って来てこのような会に出会えて良かったと思います。私たちメンバーのほとんどは、先代からの家業を事業継承していく立場というのが共通していますので、みなさんの意見はとても参考になります。
川崎 弘真さん
(川崎青果株式会社
代表取締役社長)
川崎青果は、野菜を通して生産者と消費者をつないでいる会社です。みなさんと共に、食文化を通じて街を元気にできればと思っています。メンバーのみなさんはアンテナが広く、話題も豊富なので吸収すべき部分が多いです。今後も積極的に参加したいと思います。
松井 隆昌さん
(株式会社亀井堂総本店
取締役 5代目)
瓦せんべいの亀井堂総本店は明治創業で、私で5代目になりますが、この会のメンバーの方々はマーケットの違う場所で戦われている方ばかりですので、勉強になります。企業のトップの方がざっくばらんにお話しになり、信頼関係のある会で、自分だけでなくみんなで共に良くなっていこうという意識が感じられるのも特長です。
吉田 翼さん
(GOOD GOOD MEAT)
今日のお話でもっとも印象深かったのは、「ビジョンというのは『視力』ということである。それが定まっていないということは、目が見えていないのと同じである」というお話です。わが社は創業からまだ2年の会社です。長く続いておられる企業様というのには理由があり、勉強させていただくことばかりです。
圓井 大輔さん
(株式会社コスモス食品
自社ブランド事業部長)
私どもは食品のフリーズドライを手掛ける会社です。私も事業を継承するという立場ですが、「人を大切にする」という経営を目指していきたいと強く感じました。弊社の保存技術を生かして、メンバーの方々と一緒に商品開発などもしていければ楽しいなと思います。
富永 昌平さん
(富永貿易株式会社
取締役社長)
貿易会社として、ケンミン食品さんとはこれまでもつながりがありましたが、この会でさまざまな方と交流をし、刺激を受ける仲間ができたことを嬉しく思います。親の会社を継ぐ立場というのも共通しているので、お互いに同じ立場としての悩みを相談できるというのも大きなことです。
松原 秀樹さん
(株式会社松原製餡所
専務取締役)
ケンミン食品さんのお話でグルテンフリーのお話がありましたが、私どもは製餡所で、あんこを扱うメーカーですからパン屋さんとの取引も多く、カロリーに関しては違った立場です。(笑)事業を継承していくという立場としては共通の悩みがありますし、真似できるところはどんどん見習いたいと思います。
柳本 健一さん
(株式会社マルヤナギ小倉屋
執行役員総合企画室室長)
昆布の佃煮からスタートし、煮豆や惣菜を扱うマルヤナギ小倉屋は1951年創業で、ケンミン食品さんの1年後輩にあたり、またケンミン食品・高村さんとは親子ともに同い年でもあるため今日のお話は大変勉強になりました。前向きな若手経営者が集まるこのKFC会を通じて、皆が更に仲良く信頼し合い、また互いの人となりを神戸で再発信しあうことで、各自が更に自信をもって事業や地域活動を推進し神戸の活性化に貢献できればと思います。
長谷川 照起さん
(有限会社六甲味噌製造所
取締役)
私どもは味噌屋ですが、味噌というのは嗜好性が強く、神戸、兵庫で食べられている味噌は他の地域ではほとんど食べられていないといってもよいものです。ですから神戸や兵庫県内の企業様とのつながりは私どもにとっては大変重要なことなのです。私も数年のうちに事業継承していく立場なので、みなさんから学んでいきたいと思います。
大西 泰幸さん
(キング醸造株式会社
専務取締役)
私どもは1900年創業のみりんや料理酒を取り扱う会社です。この会に参加させて頂いて感じるのは皆さんが同じ様な立場、年代であるため、抱えている課題が非常に似ているということです。この会を通じて、自身の課題を解決する糸口を見つけたり切磋琢磨しながら新たなチャレンジに結び付けていきたいと思っています。
高村 祐輝さん
(ケンミン食品株式会社
代表取締役社長)
ケンミン食品の社名は、創業者の高村健民の名前である「健康の健と民」から「健康をみなさまにお届けしたい」という願いを込めたものです。私自身は入社して丸10年で社長を継ぎました。立場が同じ皆さんの前で自社のお話しをさせていただき、大変勉強になりました。今後、皆さんのお話を伺い、勉強させていただきたいと思います。