2018年
11月号

本物の味と技術を伝承する バウムクーヘン専門店「BAUM U. BAUM(バウム ウント バウム)」

カテゴリ:スイーツ・パン, 神戸

初代神戸マイスターでもあるドイツ製菓マイスター井谷眞一さんが、本場の製法技術で焼くバウムクーヘン専門店「BAUM U. BAUM(バウム ウント バウム)」が7月28日にオープンした。兵庫県洋菓子協会会長の福原敏晃さんも、同じ神戸マイスターとして「本物の味と技術の伝承」に期待し応援している。

本場ドイツで学んだ菓子づくりの技術

ユーハイムには学校卒業後37年間在職しました。その間に洋菓子の本場ドイツで勉強する機会を頂き、国立製菓学校(当時)で学び、ドイツ連邦共和国認定の製菓マイスターの称号を1979年に取得し、トータルで10年余りドイツでお菓子づくりに携わりました。ドイツでの経験は菓子職人としての私の原点となり、ユーハイムに大変感謝しております。私は「これからは次の若い世代の人たちに技術を伝えたい」という思いを持っていましたので、ユーハイムを定年退職後、兵庫県洋菓子協会の福原さんから声をかけていただき、大手前製菓学院専門学校で教授として14年間勤めさせていただくことになりました。福原さんとは顔を合わせるたびに「技術の伝承のために何かできるといいですね」と話し合ってきましたので、学校を定年後、お力添えをいただきながら「バウム ウント バウム」オープンに至りました。

次の世代に技術を伝え、洋菓子界に恩返し

自分がお店を持つという夢は菓子職人になった時から持っていましたが、この年齢になってしまい(笑)。「バウム ウント バウム」ではバウムクーヘンを20層前後で焼き上げますから、一旦焼きに入ると45分から1時間ほど付きっきりになります。昔のオーブンと違って性能が良くなり作業が楽になったとはいえ、なかなか大変です(笑)。真夏のオープンでしたからちょっと痩せてしまいましたが、今がベストな体重なのでこれからも頑張ろうと思っているところです。
本場ドイツでもバウムクーヘンを焼くお店が、菓子店全体の10%まで減少してきてますので、私の僅かな知識と技術ですが、これを日本の若い職人さんに伝え、お世話になった洋菓子界に少しでも恩返しができれぱと思っています。

基本を守りながら、日本人の好みにも合わせる

日本のバウムクーヘンは卵白と卵黄を一緒に泡立てる共立てで、乳化剤や膨張剤を使用してソフトに仕上げるのが主流になっております。私のバウムクーヘンは卵白と卵黄を別々に泡立てて、一工程手間をかけて乳化剤や膨張剤を使わずに作っております。ドイツ人はバウムクーヘンに限らず、しっかりした歯ごたえのあるものを好みますが、日本人はふんわり、しっとりした食感も好きですね。そこで、私は別立ての基本は守り、日本人の好みに合わせて仕上げるように工夫しています。
ドイツではプレーンのみで、焼き上げてから表面にチョコレートやフォンダンをコーティングして仕上げたものが主流です。「バウム ウント バウム」では、プレーンとチョコレート味があり、どちらも表面をグラズール(砂糖)で仕上げています。チョコレート味は生地にチョコレートを混ぜ込んであります。これからもいろいろとお客様の声をお聞きしながら、喜んで頂ける商品の提供も大切にしようと考えています。

奥深いバウムクーヘン。まだまだこれからも研鑽します

バウムクーヘンはドイツでも焼いていましたし、 ユーハイムでも私のオリジナルのものを作らせていただいていました。材料の配合は至って簡単。卵2、砂糖1、粉1 、バター1。 その基本の許容範囲内で調整しますが、生地は同じように作っても気温などの条件により日々変わります。その中で、一定の品質を保ち、いかにしっとりさせて美味しくするかが腕の見せ所でしょう。理想としては分担作業ではなく、一人の職人が生地づくりから、出来具合を上手く調整しながら焼くところまで一貫して担当するのがべストです。バウムクーヘンはシンプルですが、とても奥深くて私のように年齢を重ねた菓子職人にとっても魅力的なお菓子です。しかし、自己満足だけではだめですからね。 お客さまに末長く愛されるように、 まだまだこれからも研鑽していかなくてはいけないと思っています。

シンプルな素材と味にこだわる井谷さんのバウムクーヘン


「バウムクーヘンを焼く毎日が幸せ」と井谷さん


マジパンを生地に練り込むのがドイツ流

10年のあいだ、あたためてきたふたりの思い

一般社団法人 兵庫県洋菓子協会
会長 福原 敏晃さん

本場ドイツのバウムクーヘンを日本のお客さまにご提供できるのは、「ドイツ菓子マイスターの称号を持つ井谷さんの他にいない」と言っても過言ではないと思っています。ドイツ仕込みの基本は押さえつつ、ハードとソフトの中間ぐらいで歯ごたえがちょうど良くて、とても風味良く焼き上がっています。さすが!長年の経験がものを言いますね。
井谷さんとは10年前ほどからずっとお話ししていましたから満を持してのスタート。一人でも多くのお客さまに召し上がっていただきたいという思いがあり、神戸から日本中に発信していきたいと、できる限りの応援をさせていただいています。
私も井谷さんも神戸マイスターとして若い人たちに技術を伝承するという使命があります。「本物は必ず残る」と信じて、これからも応援し続けたいと思っています。

井谷さん(左)と福原さん(右)

井谷 眞一 (いたに しんいち)さん

1948年生まれ。兵庫県出身。神戸市在住。神戸のドイツ菓子メーカーに37年勤務。大手前栄養製菓学院専門学校前教授。バウムクーヘンに代表されるドイツ菓子のエキスパート。ドイツ連邦共和国認定の製菓マイスターでもある。インター・ガストラ78・シュッツガルト博覧会(ドイツ)金メダルやワールドケーキフェア金賞受賞などの栄誉に輝く。初代神戸マイスター。

BAUM U. BAUM(バウム ウント バウム)

TEL.078-803-8388 
神戸市灘区友田町4-4-18
グランディアミ・アモーレ六甲道 1F
営業 11:00〜19:00
水曜定休

〈2018年11月号〉
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