2018年
11月号
豪雨災害の影響で1ヶ月ほど延期されたが、8月19日に華々しくオープン

万田発酵 HAKKOパーク しまなみ海道・因島にオープン

カテゴリ:おすすめスポット, 楽しむ

陽光と潮風に満ちた爽快なファクトリーパーク

しまなみ海道の新名所に

尾道から今治まで6つの島を橋で結ぶ本四連絡道、しまなみ海道は、その周辺の島々と合わせて海と島のコントラストが明媚で、今や世界的な観光地になっている。その本州側から2つめの島、因島にこの夏、HAKKOパークがオープンした。健康食品で知られる万田発酵。その本社工場の敷地の一部をファクトリーパークとして入場無料で開放、発酵について学ぶことができるだけでなく、楽しい施設でしまなみ海道の立ち寄りスポットとしても注目だ。
マツダスタジアム約1・5個分、2万1千坪もの敷地にはさまざまな施設がある。エントランス部分に建つ洒脱なHAKKOゲートは、吹き抜けも爽快。館内は万田発酵の商品が並ぶショップ、万田ならではのメニューが味わえるカフェ、ガイドツアーの受付窓口などが並ぶ。
中でもおすすめはカフェ。一面の窓の向こうには美しい庭と海が望め、屋外のテラスで潮風を感じながらのひとときも。ヘルシーなラインナップのメニューはフランス懐石で知られる京都の人気店「西洋膳所おくむら」の奥村直樹シェフのプロデュースで、植物用万田酵素で育った新鮮野菜やお米、餌に万田酵素を与えた万田豚など、こだわりの素材の持ち味をよく生かしている。特に「万田ハムと新鮮サラダサンド」は、オーロラソースの爽やかな酸味が万田豚の旨味とジューシーさを引き立て、野菜のシャキシャキ感とバンズの弾力も心地良くなかなかの美味。ぜひお試しを。

絶景のシーサイドガーデン

海に向かって広がるHAKKOガーデンに出ると、まず目を惹くのは左手の2頭のヤギさん。仲良く草を食んでいるが、機嫌が良ければ手を振ると寄ってきてくれて人なつっこい。右手には植物用万田酵素で育てた野菜が。スイカやナスなど、普通のものよりやや大きく、万田酵素のパワーを実感できる。
その先は一面の花畑。瀬戸内の段々畑を思わせる起伏に、多種多彩な花々がまさに百花繚乱だが、これらも植物用万田酵素の力で咲き誇っている。
花の小径を進むと一面に芝生が広がり、さらにウッドデッキに出ると海と島と空が視界を包む。正面は生口島、左には生口島大橋が羽ばたくように輝く。芝生広場には足湯があり、美景を楽しみながらリラックスできる至福を味わえる。
池には優雅に錦鯉が泳ぎ、すべり台やじゃぶじゃぶ池など子どもの遊び場も備えているので、子や孫とかけがえのない思い出づくりも。ちなみに鯉は万田酵素入りの餌を食べているとか。
タイミングが良ければHAKKOパークのアイドル、ラブラドールのハッピーちゃんとも会える。ちょっぴりやんちゃだが超フレンドリーで愛嬌たっぷりだ。
11時・13時・14時・15時・16時スタートのツアー(個人は予約不要)もおすすめ。工場をリノベーションしたHAKKOホールで発酵や万田酵素に関するムービーは、万田発酵の歴史、日本人と発酵の深い繋がり、万田酵素のこだわりなどをわかりやすく伝えてくれる。そしてスクリーンが上がると…この感動的な仕掛けは現地で体感してほしい。
HAKKOミュージアムでは万田酵素の素材となる53種類の「果穀藻菜」、世界の発酵文化、万田酵素の海の父である松浦新吾郎についての資料などのほか、発酵・熟成中の樽も展示。樽は発酵年数による変化がよくわかり、微生物たちの働きを実感することができる。

瀬戸内の多島美に誘われて

瀬戸内・因島から発酵文化を世界に広めたい。そんな想いから、5年にわたる構想が結実し、HAKKOパークはオープンした。「HAKKO」はもはや世界のことば。醤油、味噌、酒、酢、味醂、納豆などなど、発酵食品なくして日本食は成り立たない。鮨ももともとは発酵食品に由来している。
温暖でおだやかな瀬戸内の気候風土は、発酵に適している。しまなみ海道沿いにも銘酒は多いが、広島県は酒造が盛んで、プロの杜氏を育成する学校もある。尾道では酢が名産だ。
万田発酵はもともと因島に18世紀初頭から続いた酒蔵で、「万田」とはもともとここの酒の銘柄。その11代当主、松浦新吾郎は幼い頃から探究心に満ち、自然の摂理と発酵の不思議に深い興味を抱いて発酵に適した環境の研究を重ね、技術を培って万田酵素を生み出した。
研究開発は今なお継承・継続され、食品のほか農業・園芸用品、ペット・畜産・水産用品と多種多彩だが、近年は発酵の力をスキンケアや美容にもと「エムフォルテ」ブランドを展開。HAKKOゲート内ショップでも販売している。
しまなみ海道はサイクリングのルートとしてもはや世界的だが、HAKKOパークはサイクルオアシスにも指定されている。
因島は日本遺産に指定された村上水軍関連の見どころも多く、碁聖、本因坊秀策ゆかりの島でもある。対岸の生口島に渡れば平山郁夫美術館や耕三寺があり、尾道も合わせて周辺には訪ねるべきスポットが多い。
清々しい潮風と美しい景色を満喫し、風土に培われた発酵の力を実感すれば、旅情もやさしく熟成されていくだろう。

豪雨災害の影響で1ヶ月ほど延期されたが、8月19日に華々しくオープン

瀬戸内ならではの絶景を眺める足湯はまさに癒やし

海をバックに咲く花々は万田酵素でいきいき

黒ヤギさんはピース君。白ヤギさんはスマイルちゃん

元気いっぱいでかわいいハッピーちゃん

味のバランスが秀逸な万田ハムと新鮮サラダサンド(税別500円)

ヘチマやひょうたんも万田酵素で育つとこんなに大きく

万田発酵 HAKKOパーク

尾道市因島重井町5800-95
■営業時間 10時~17時  ■休日 年末年始
■お問い合わせ 0120-85-1589
■アクセス
●車:西瀬戸道(瀬戸内しまなみ街道)
「因島北IC」(下り線)または「因島南IC」(上り線)から約10分
●公共交通機関
・「尾道駅前」よりバス土生(はぶ)港前行きで約35分、「鬼岩」で島内バスに乗り継ぎ約3分「勤労者センター前」下車すぐ
・「尾道駅前」港より瀬戸内クルージング瀬戸田行き高速船で約20分「因島重井東」港で下船、「鉄工団地前」より島内バスで約12分「勤労者センター前」下車すぐ
・「三原港」(三原駅下車徒歩約10分)より土生商船土生・立石行き高速船で約20分、「重井港」で下船、「重井西港入口」より島内バスで約5分「勤労者センター前」下車すぐ

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