健康は足元から！ゴムの技術で健康産業に貢献

2018年
8月号

健康は足元から！ゴムの技術で健康産業に貢献

70年にわたりゴムを扱ってきた株式会社富士高圧の技術で健康産業に貢献する株式会社神戸装具製作所。一人一人の動作や歩行状態を確認しながら作る完全オーダーメイドインソール「mysole®」が話題になっています。東灘区御影「旨水館」内にある「マイソールスタジオ神戸」を訪ね、そのシステムを体験してみました。

　スタジオで待っていてくれたのはmysole®協会認定マイスターで理学療法士の山口剛司さん。「できるだけ多くの情報を得るために、失礼ながら入って来られたときから歩き方や動作を検証していました」と山口さん。さすが身体動作のプロ。足や歩行について、日頃の悩みをお話ししてカウンセリングを受けました。　次は、自然な姿勢で立ったり、いつも通りに歩いたり…、高性能足圧計で検査した足裏にかかる圧力や重心の移動についてモニターを見ながら説明を受け、自分の思い込みとは違う意外な結果もあり、現状を知ることができました。
　mysole®理論に基づく一連の動作評価から見えてくる弱点を補完するパッドを足裏に貼ってもらい、再度、一連の動作を行ったところ、左右のバランスがうまく取れるようになっていることを実感。パッドの位置の微調整を終えたら、型取り。色と生地を選び、職人さんが丁寧に手づくりしてくれるのを待つこと、約2週間。私のための、私だけのインソールが届きました。

STEP 1　Counseling
カウンセリング

足や歩行について日頃の悩みをお話ししてカウンセリングを受けます。

STEP 2　Measurement
測定

足裏への圧力のかかり方や歩行状態について説明を受けます。

STEP 3　Analysis
分析

片足を前に出したり、片足で立ったり、いろいろな動作を行います。

片足立ちで重心の保ち方が左右違うことに気付きました。

STEP 4　Improvement
改善

パッドを足裏に直接貼り付けてもらいます。

貼った状態で先ほどと同じ動作を行い、違いを実感しました。

STEP 5　Type up
型取り

体重をかけてギュッと足を押し、型を取ります。

好みの色や生地を選びます。

STEP 6　Complete
完成！

約２週間でオーダーメードインソールが完成します。

富士高圧の技術で生まれたマシュマロ®ラバー

　以来70年に渡り、靴のアウトソール、インソール素材の開発を続け、日本人の足元を支えて参りました。この技術を健康産業に生かせないか？と考え、整形外科の先生方から「足元から全身への健康の重要性」をご教授頂き、歩行専用ラバーの開発を始めました。真摯に取り組んでおられる先生方から高い評価を頂き、また、患者さんからは「魔法のゴム」とまで言っていただきました。富士高圧が長年培ってきた技術が、歩行という衝撃と反発の連続運動に適したマシュマロ®ラバーの開発を可能にしたものと自負しております。

一人一人の動作の弱点を克服するmysole®

　ところが、オーダーメードインソールが一人一人の動作と歩行の状態を確認、分析することなく作られているという現状を知りました。そういう方法がないのならば、開発すればいい。そこで、整形外科医師監修のもと、国家資格を持つ医療装具製作の専門家である義肢装具士と身体運動の専門家である理学療法士が協力し、患者様ご自身が実際に動作の改善を確認し、実感してからオーダーメイドインソールを作る新しいシステムを構築し、5年前に神戸装具製作所を設立しました。こうして、「mysole®」が誕生しました。（特許第6021133号）

医療界、そしてスポーツ界でも認められたmysole®メソッド

　現在は全国約60の医療機関において保険適用の医療装具として処方されております。
　mysole®は動作改善を実感してからお作り頂くオーダーメイドインソールですので病院での患者様同様、テニスや卓球、ゴルフなど様々なスポーツの第一線で活躍するトップアスリートの方々にも「弱点克服」と「目的達成」の補助装具としてご愛用いただいております。さらに女性からの要望を受け、昨年、雑誌『VOCE』との取り組みとして、ハイヒールの中敷きに貼り付ける「救足マシュマロパッド」を開発しました。その反響も踏まえ、医療現場で生まれたmysole®メソッドをもとに国内シューズブランドさんと「足元からの美と健康」をコンセプトとした新しいシューズブランドを開発する予定です。
　昨年12月には、mysole®協会を設立し、マイスター制度を構築、今後全国にmysole®メソッドを広げていきたいと考えております。需要に対して養成が追い付いていない状況ですが、急ぐことなくmysole®メソッドを十分に理解し、健康寿命の向上に意欲的に取り組める人材を育てていきたいと思っています。