2012年
2月号
2月号
元永定正さん偲び 「もーやん さようならの会」
昨年10月3日に亡くなった画家・元永定正さんを偲ぶ「死ぬまで生きた“もーやん さようならの会”」が、11月26日に宝塚ホテルで行われた。この日は、元永さんの満89歳の誕生日。安藤忠雄さん、乾由明さん、蓑豊さん、谷川俊太郎さんらが発起人をつとめ、当日は会場いっぱいに参加者が訪れ、故人の人柄をしのばせた。
お別れのステージに立った木村重信さんは「元永さんは『一寸先は光』というモットーを持っておられた。陽気で明るい方だった」と、元永さんとの長い交流を振り返った。続いて井戸敏三知事の言葉、乾由明さんの献杯でスタートした。
元永さんは、前衛美術家集団「具体美術協会」のメンバーであり、鮮やかな色彩とユニークな絵柄の絵画やユーモラスな絵本で知られる。奥様で画家の中辻悦子さんは「今年に入ってからは、一日中楽しそうに絵を描いていた。『一人でできる仕事を選んで良かった』と話していた」と思い出を。元永さんは俳優を志していたこともあり、一人では仕事ができない俳優や映画監督といった職業に比べ、画家は一人で仕事ができるので良いといったことはよく話していたようだ。「亡くなった当日は、病室で、グッゲンハイム美術館のキュレーターとの打ち合わせをし、それを終えた夜に息をひきとりました」と、最後まで創作意欲を持ち続けた元永さんの日々を語った。