10月号

国立美術館 コレクション・ダイアローグ 松方幸次郎 × 山村德太郎 蒐集のパッション ―ロダンを日本へ、具体を世界へ|知と美 Vol.10
経済界に残した数々の功績で知られる松方幸次郎は、その一方で第一次世界大戦中のロンドン滞在時、幅広い年代とジャンルの作品を一挙に蒐集し、1万点を超えるといわれる西洋美術の一大コレクションを形成しました。「共楽美術館」と名付けた夢の美術館を構想するも、その後の激動の時代を背景に散逸。戦後、パリに保管されていた約370点が日本に寄贈され、収蔵展示施設として国立西洋美術館が開設されました。松方が生まれた1866年から60年後の1926年、山村德太郎が西宮市に誕生します。1955年、山村硝子株式会社取締役社長に就任したころから、山村は国内外の近代美術作品の蒐集を始め、その後、方針を転換し、戦後日本の前衛美術を対象に定めました。
国立美術館連携事業「コレクション・ダイアローグ」の一環として実現した同展には、国立西洋美術館から借用の26点を含む67点の名作が集結。松方コレクションよりロダンの代表作《考える人》をはじめ彫刻14点、さらにクールベ、モネ、ゴーガンなど西洋近代美術を代表する名作を紹介。山村コレクションでは国立西洋美術館から里帰りするアルプの《輪︱森》をはじめ初期の蒐集作品5点も展示され、西洋モダンから日本の戦後美術へと広がる軌跡を立体的に紹介します。
日本に西洋美術を普及させるという志を立てた松方、公共の財産になることを見すえ、約30年かけて国内有数の前衛美術作品を蒐集した山村。二人が築いたコレクションの「ダイアローグ=対話」を体験し、現在それぞれの蒐集品を収める二つの美術館のダイアローグを通じて、先人の夢とそのつづきを辿ってみてはいかがでしょうか。

白髪一雄 《天異星赤髪鬼》
1959年 油彩・カンヴァス
兵庫県立美術館(山村コレクション)

ジャン(ハンス)・アルプ 《輪-森》1961年 ブロンズ
国立西洋美術館(山村德太郎氏より寄贈)

オーギュスト・ロダン 《考える人》 1881-82年
ブロンズ 国立西洋美術館(松方コレクション) 撮影:©上野則宏
国立美術館 コレクション・ダイアローグ
松方幸次郎 × 山村德太郎
蒐集のパッション ―ロダンを日本へ、具体を世界へ
10月10日(土)~12月27日(日)
兵庫県立美術館 HYOGO PREFECTURAL MUSEUM OF ART
■神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 兵庫県立美術館1F展示室
■TEL.078-262-1011
■休館日 月曜日(ただし、10月12日(月・祝)、11月23日(月・祝)は開館、10月13日(火)、11月24日(火)は休館
■開館時間 10:00~18:00(入場は17:30まで)
■観覧料 一般1,800円、大学生1,200円、高校生以下無料












