4月号
兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」第174回
東灘区医師会地域医療シンポジウム
「今日から始める快眠生活」について
─東灘区医師会地域医療シンポジウムはいつから開催されていますか。
松本 東灘区医師会では、医師会会員を対象とした在宅医療の入門講座を発展させ、1993年からシンポジウムを開催しています。当初は「在宅医療シンポジウム」でしたが、1995年に阪神・淡路大震災が発生し、仮設住宅地の地域医療に関連する問題に少しでも対応できるようにとの意味も込めて名称を「地域医療シンポジウム」と変更、以降は東灘区のみなさまや東灘区役所とともに地域医療について考え、地域を盛り上げる機会として毎年10月に開催し、2025年、つまり昨年で第30回を迎えました。
─昨年はいつ、どのようなテーマで開催しましたか。
松本 10月25日にうはらホールで「今日から始める快眠生活」をテーマに開催し、約350名のみなさまにご来場いただきました。プログラムは基調講演、シンポジウム、パネルディスカッションの3部制でした。
─基調講演はどんなお話でしたか。
松本 神奈川県の16号整形外科院長で、山田朱織枕研究所代表でもある山田朱織先生をお招きし、「キーワードは寝返り!整形外科医が教える『正しい枕の条件』とは」をテーマにご講演いただきました。山田先生は全国でも珍しい外来診療、枕外来を開設され、枕や睡眠に関する著書も多い有名な先生です。今回は「たかが枕、されど枕」と枕の重要性を軸に、正しい睡眠姿勢とはどのような姿勢かを解説された上で、その姿勢で寝るためにも枕の高さや硬さ、フラットさが大切であるとお話しされました。また、寝返りは体液の循環や体温調整、体圧分散を促すだけでなく、背骨を整える効果もあると考えられ、スムーズな寝返りが正しい睡眠姿勢や深い睡眠に結びつくとのことです。最後にマイ枕の作り方や理想の寝返りについて実演され、大変わかりやすい内容でした。
─シンポジウムはどのような内容でしたか。
松本 もりた耳鼻咽喉科・いびきクリニック院長の森田武志先生、いしむら腎泌尿器科クリニック院長の石村武志先生、近畿中央ヤクルト販売株式会社の健康管理士の戸川真早美さんにシンポジストとしてプレゼンしていただきました。
─森田先生はどのようなお話をされましたか。
松本 「いびきは睡眠の質を悪くする?」と題し、いびきがおこるメカニズムや睡眠時無呼吸症候群について、レム睡眠とノンレム睡眠の違いなどをお話しいただきました。習慣性いびきは成人男性の40%、成人女性の24%に見られるそうで、3ヶ月以上いびきが続く場合は睡眠時無呼吸症候群に該当しないか検査をした方が良いというアドバイスがありました。
─石村先生のお話はどんな内容でしたか。
松本 「夜中おしっこで目が覚めないようにするには」をテーマに、主に夜間頻尿の原因や対策について教えていただきました。夜間の尿回数が増える理由として、腎臓が尿をたくさん作りすぎることと、膀胱が尿をしっかり溜められないことが挙げられ、水分を過剰に摂取しないこと、足先が冷えないようにすることが自分でできる対策だそうです。それでも夜中におしっこで目が覚めてしまう場合は、よく効く薬があるので泌尿器科を受診しましょうとおっしゃっていました。
─戸川さんはどのようなお話をされましたか。
松本 「眠れていますか?より良い睡眠のための健康管理」を演題に、腸内環境の話題を軸として休息や睡眠の質を上げる重要性についてお話しいただきました。なお当日は近畿中央ヤクルト販売株式会社より、睡眠の質を高める効果で機能性表示食品に認定されているヤクルト1000をご提供いただき、来場者のみなさまにお配りしました。
─パネルディスカッションではどのような話題が挙がりましたか。
松本 東灘区医師会地域医療部副部長で小林整形外科クリニック院長の小林恵三先生がコーディネーターを務め、山田先生、森田先生、石村先生、戸川さんをパネリストに、和やかなムードで進行しました。質疑応答も活発におこなわれ、「枕は腰痛にも効果があるのか?」「睡眠時無呼吸症候群の治療用マスクは外れないのか?」「ヤクルト1000は睡眠に効くのか?」「寝る前の水分をどの程度控えるとよいのか?」「夕方の足のむくみと夜間頻尿は関係あるのか?」などの質問に、それぞれの専門領域の視点からわかりやすく答えていただきました。特に山田先生は「正しい枕の位置は?」という質問に対し、実演を交えて熱心に解説されていました。
─来場者の反応はいかがでしたか。
松本 アンケート結果で多くの方に「良かった」とご回答いただきました。また、「いろいろな視点で睡眠のお話が聞けて参考になった」「お話が具体的で良かった」「身近なテーマで興味深かった」という声を寄せていただきました。
─シンポジウムは今年も開催するのでしょうか。
松本 はい。2026年も10月に開催する予定です。来場者のみなさまからアンケートでテーマ案を伺っていますので、これを参考にしながら内容を検討させていただきます。日時やテーマなどが決まりましたら東灘区医師会ホームページや広報誌、ポスターやSNSなどで告知いたしますので、ぜひご来場ください。

第30回東灘区医師会地域医療シンポジウムは、10月25日にうはらホールで「今日から始める快眠生活」をテーマに開催

神奈川県の16号整形外科院長で、山田朱織枕研究所代表でもある山田朱織先生が、
「キーワードは寝返り! 整形外科医が教える『正しい枕の条件』とは」をテーマに基調講演

シンポジストを務められた、もりた耳鼻咽喉科・いびきクリニック院長の森田武志先生(右)、いしむら腎泌尿器科クリニック院長の石村武志先生(中央)、近畿中央ヤクルト販売株式会社の健康管理士の戸川真早美さん(左)

パネルディスカッションでは、東灘区医師会地域医療部副部長で小林整形外科クリニック院長の小林恵三先生がコーディネーターを務め、それぞれの専門領域の視点からわかりやすく解説













