2022年
5月号
5月号
まずは旬の筍で乾杯
KOBECCO お店訪問｜和食 くに弥
旬の地魚は新鮮そのもの。粋な料理と酒に耽る愉楽
地魚。ああ、地魚。そのワードを耳にしただけで、食いしん坊の心はときめく。でも、小さな漁村ならともかく、神戸のような都会でコイツを喰おうとなると、どの店が良いのかわからない。
そんな時にオススメなのがこのお店。包丁握って55年、大将の山本公夫さんの腕と目利きは確かだ。開店前に必ず湊川の市場へ立ち寄り、眼鏡に適った新鮮素材がそのままその日のメニューになるから、いつ行っても料理は歳時記の如し。「このあたりは魚種も豊富やし、ええもんが手に入るんですわ」とおっしゃるが、それが可能なのは鮮魚店との長年の付き合いと信頼関係があってこそ。
鍋料理もこれまたよろしい。冬は河豚、春は桜鯛、そして間もなく鱧の季節。鹿の子麗しいハリハリ鍋だって味わえる。
お酒も何でもござれで、ウイスキーを樽ごとキープする常連客までいるとか。松の一枚板のカウンター越しに大将や女将さんとの会話を愉しむもよし。個室で気遣いなしの宴もよし。美酒佳肴を愛でる前に、必ず予約を入れよう。
ある日のお造り。オコゼは肝や皮、胃袋だけでなく、骨は汁や揚物に。浅めにしめたきずし、鮑、トロと豪華（写真は3人前）
地物の河津海老の唐揚げは箸をつけると止まらない
身が厚い立派なノドグロは塩焼きで
鯨は日本古来の海のジビエ。ハリハリ鍋も人気だ（写真は2人前）
まずは旬の筍で乾杯
ウイスキー樽をキープする常連客も
日本酒、モルト、ワインなどアルコールも豊富で、大将自らシェーカーを振る。夏らしいスイカのカクテル
ちょっと入りにくい店構えだが、敷居をまたげば実にアットホーム
元町で28年、三宮レンガ筋で16年。
「料理一筋、神戸一筋ですわ」と大将
くに弥
神戸市中央区
北長狭通1-21-13
TEL.078-332-0865
16:00～22:30
日曜・祝日休
