2016年
11月号
11月号
“特別なもの”との出会い ベール・ド・フージェールの家具 4
佐藤よし子がご紹介する今月の逸品 ④
ベール・ド・フージェールの店内に入った時の大好きな香り。良く手入れされていた家具独特の、英国のオイルワックスの香り―心地よい安らぎ…これぞ英国の邸宅の香りです。
さて、この美しいおもにホール用に英国では使用されていたやや低めのテーブル。
お客様をお迎えした時に、玄関で目を引く美しさでデザインされたセンターテーブルです。細やかな細工が特徴で、天板には象嵌が施されています。表面が珍しい素材で仕上げられ、テーブルの中央にフラワーアレンジメントや壺等をしつらえ、それらは最初の話題を提供するトーキンググッズとなります。
この家具は、1860年~1880年頃のイギリス製です。天板には貴族の憧れである全ての模様が施されています。それらをガーランドの様に、メダイヨンの様に、天板にしつらえ施すことが、19世紀の家具のある種の流行でもありました。
脚にはオリジナルのキャスターとスクロールにバラのデザインなどが施されています。ローズウッドやサテンウッド、バーウォールナットの高価で華やかな天板にも当時の職人の技がみられます。
神戸北野高級アンティーク家具専門店
ベール・ド・フージェール異人館通店
神戸市中央区山本通2-8-12
TEL. 078-261-9193
http://www.verre-de-fougere.com/
WAREHOUSE
神戸市中央区山本通4-26-14
佐藤 よし子(さとう よしこ)
1988年、日本初の英国式フィニッシングスクール『ザ・クイーンズ・フィニッシングスクール』を神戸にて開校。ハウスキーピングやテーブルセッティング、マナーについて指導。『ダウントンアビー』の世界などをレクチャー。NHKテレビ『美の壺』、『グレーテルのかまど』、雑誌『家庭画報』、『婦人画報』など各種メディアにて活躍中