2019年
12月号
12月号
神戸俱楽部150周年 その歩みは、神戸の歩みそのもの
神戸開港と共に外国人の社交場として設立された神戸倶楽部が、2019年に150周年を迎えた。1869年、西日本初となる外国人クラブとして、27名の外国人により英国倶楽部が創設された。1870年には、元町から旧居留地に移転して名称を神戸クラブと改め、1890年には、会員数の増加に応えるべく、英国人建築家A・N・ハンセルにより本格的な倶楽部ハウスが設立された。当時、日本一長いといわれたカウンターのあるバーや、図書館、ビリヤードルームなどを備えた立派な建物であり、神戸へやってきた外国人たちの憩いの場となった。しかし、この歴史的な建物は第二次世界大戦で焼失、戦後、トアロードの最北端に移転して現在に至っている。その後も神戸の発展と共に会員も増え続け、1980年代の最盛期には600名もの会員数を誇った。
現在でも年間を通して音楽会、絵画展、ダンスパーティーなどを開催し、会員間のコミュニケーションを図ることはもとより、陶器展やいけばな展など日本文化の発表の場としても活用され、日本と海外の文化交流の拠点としての役割を担っている。
10月5日には、150周年を祝う記念パーティーが開催され、メンバーを中心に多くの参加者が詰めかけた。中には、この日のためにわざわざ母国から駆け付ける者も。会場は終始熱気に包まれ、会員たちの倶楽部への愛情がひしひしと伝わってくる、そんな記念パーティーとなった。「数名の外国人によって設立された神戸倶楽部は、150年の長い時をへて大きな輪となりました。神戸倶楽部の伝統を受け継ぎながら、この輪をさらに広げてゆければ」とピーター・フィリップス理事長。
神戸開港の1年後に創設された神戸倶楽部。その歩みは、神戸の歩みそのものでもある。