1月号
音楽のあるまち♬15 サックスの素晴らしさを伝え、可能性を広げたい
サクソフォンカルテット コパン 津村 美妃 さん・永田 亜由美 さん
女性4人のサクソフォンカルテット「コパン」。多くの人にサックスの素晴らしさを知ってほしいと神戸発で関西を拠点に活動しています。メンバーのこと、演奏のことなど、テナーの津村さんとアルトの永田さんに、お聞きしました。
―サックスを始めたのはいつ?二人の接点は。
津村 二人とも中学のブラスバンド部で始めました。高校もそれぞれ明石北と兵庫、ブラスバンド部が強い学校で交流があり、同じパートの懇親会で知り合いました。
―4人のメンバーは。
永田 妹尾さんは私と大学で同級で卒業後に津村さんと出会い、小川さんは津村さんと高校時代の師匠が一緒…それぞれどこかでつながっていました。
―「コパン」を結成したのはいつ、どんなふうに?
津村 それまでは演奏依頼があると、妹尾さん、小川さんをはじめ知り合いに声をかけメンバーを集めていました。2014年、永田さんを誘い、生田神社会館のイベントで初めてこのメンバーで演奏したら、何だかしっくりきて、その後は依頼があると4人で行くようになりました。そして、あるイベントで「グループ名を付けてください」と言われ、慌ててみんなで考えて…これが「コパン」結成というのかな(笑)。フランス語で「気の合う仲間」。4人はもちろん、他の楽器の仲間も集まって楽しめたらいいなと。
―サックスカルテットはあまり馴染みがないのですが…。
永田 そうですね。「初めて聴きました」とか、「サックス4本だけで曲になるの?」とも言われます。ソプラノ、アルト、テナー、バリトンが揃っていますからちゃんとできるんです(笑)。
―クラシックに限らず、レパートリーがとても広いですが、楽譜があるのですか。
永田 Jポップやジャズ、歌謡曲まで何でも演奏します。既製の楽譜もたくさんありますが、最近はコパンオリジナルにしたいと、作曲専門の同級生に依頼してアレンジしてもらっています。
津村 ソロがいるバンドなら、それぞれのパートの担当がきっちり分かれますが、カルテットは4つのパートがメロディーやハーモニー、リズムなど入れ替わりながら常にどこかを担当して進みます。固定してしまうと簡単ですが、聴いていておもしろくない。ですから楽譜も作曲のプロが綿密に計算して組んでいく必要があります。
永田 どの楽器がどの音を取るかによって全く響きが変わってきます。
―動きもあって楽しい演奏ですが、4人ともずっと吹きながら。体力が必要ですね。
津村 楽器が8キロほどあるバリトンが一番たいへん(笑)。実は元々、クラシックのカルテットのように譜面台を立てて演奏していました。
永田 ある時、聴きに来てくれた方から、「楽譜に向かって吹いているみたい」と辛口のコメントをいただき(笑)。
津村 ちょうどその頃、昨年の「LALALAにしきたミュージシャンコンテスト」にCDで一次エントリーしたらトントンと決勝まで進んでしまい、「これは楽譜を覚えるしかないね」と。それから演奏スタイルが変わりました。
永田 歩き回れて、お客さんのところまで行って演奏もできるし、ウケがとてもよくなってきました。
津村 楽譜が無くなると、どんなふうにカッコよく吹こうかなど考えたり、お客さんの反応を見たりする余裕も出てきて、自分たちも楽しくなってきたんです。そこからリピートも一気に増えました。
―今後はどんなふうに?
津村 これからは神戸発で、もっと全国いろいろな所へ行って演奏したいですね。
永田 東京へも行きたい!
津村 コパンを入り口にして興味を持っていただけたらいいなと思っています。
永田 クラシックのカルテットもぜひ聴いてほしいですね。
津村 本当に素晴らしいですよ。サックス演奏をいろいろ聴いてみたいと思っていただけたら嬉しいですね。
―神戸発の活躍を楽しみにいています!