10月号
海星らしさを忘れず母校と共に発展するステラマリス会を|神戸海星「ステラマリス会」
時田 郁江 さん 神戸海星女子学院高等学校同窓会ステラマリス会 会長
神戸海星女子学院高等学校の同窓会『ステラマリス会』が、2018年、創立50周年を迎えました。学生時代からの変わらない「奉仕の精神」を胸に、さまざまな活動を行っている同窓会について、現会長の時田郁江さんにうかがいました。
―同窓会創立50周年おめでとうございます。
これはすべて、最初に同窓会を創立された先輩方のご尽力のおかげです。50周年を記念した同窓会誌に、初代会長の田中芳栄さんがご寄稿くださいましたが、昭和43年に、学校創立20年が経過したことをきっかけに同窓会の設立のご提案があったそうです。当時は教室のかたすみに事務局を置き、印刷物も手作りでされていたとうかがいましたが、今ではりっぱな同窓会室があり、さらにはステラマリスルームの完成によって、より活動の幅も広がっています。
現在の同窓会の主な活動としては、3月に学年幹事総会、5月に二年に一回の「ステラマリスの集い」があり、同窓生、先輩・後輩、懐かしい先生方とお会いできる機会となっています。毎年5月の学院祭では、同窓会のブース「ギャラリーステラマリス」を設けて、喫茶やオリジナルグッズの販売を行います。こちらの収益は海の星基金として、海外の恵まれない地域で貢献されているシスターたちへの活動支援金、国内の地震や災害に遭われた地域への義援金、在校生への奨学金、卒業生対象の講習会の費用に充てられています。
同窓会に集められる卒業生からの寄付も、これらの支援金になっています。11月には、ご帰天された教職員や同窓生のための追悼ミサもおこないます。
―50周年記念に行われたことはありますか。
まず会報誌を50周年特別号にしました。初代会長様、二代会長様にご寄稿いただいたほか、神戸海星女子学院ご出身、現在宝塚歌劇団宙組でご活躍されている芹香斗亜さんに特別インタビューをさせていただき、掲載させていただきました。50周年記念オリジナルグッズとして、天使祝詞のラテン語のお祈りをデザインした、制服カラーのクリアフォルダーを会員全員にプレゼントしました。あとはエプロンや文房具を作成し、学院祭で販売、大変好評をいただきました。
役員会としては、50周年というわけではなく、私が就任して同窓会の在り方が時代にそぐわなくなってきている事を痛切に感じましたので、同窓会の会則を大きく改革しました。ひとつに、役員の就任は卒業後25年目に回ってくるのですが、最近では晩婚化によってその時期はまだお子さんが小さいという同窓生が多く、役員の選出が難航する原因になっていますので、卒業後30年に引き上げることにしました。他にも多くの改革をしましたが、時代に合わせた会の変革というのはとても大切なことだと思います。現在はSNSでの打ち合わせ、書類確認も定例会に先立ち行っていますが、将来的にはスカイプ等の便利な交流手段が多くありますから、そういったことも活用していってほしいです。
―時田会長様の在学時代はいかがですか。海星で学ばれたこととは。
私はちっとも優秀な生徒ではなく、海星は英語教育に力を入れている学校ですけれど、私にとっては海星で美術に出会ったことが大きな影響でした。海星では、その頃、中学一年の美術で油絵を学んでいたのですが、そこで油絵が大好きになり、高校を卒業後は嵯峨美術短大に進んで、テキスタイルデザインを手がけるメーカーに就職しました。中学3年のとき、教室の窓から見える神戸の街と海の絵を描き、大丸神戸店で行われた小中高絵画展で特選をいただいたことは今でも大切な思い出です。
当時の海星は本当にしつけがきびしい女子校でした。ベレー帽はしっかり被り、ブラウスのリボンも美しく結ぶ、前髪の長さなども、きびしかったですが、それも海星の良さでした。
―今後の同窓会・同窓生の方にメッセージを。
「真理と愛に生きる」「奉仕の心を育てる」という、根底にある海星らしさを忘れず、ご自身のスキルを生かして同窓会を発展させていっていただきたいと思います。大幅な会則の改革を行いましたが、もっと良いやり方があるかもしれません。同窓会のためにどんどん改革し、前進していっていただきたい。また、二年に一回の神戸本部でのステラマリスの集いのほか、東京と名古屋にある支部でも一年毎に交代でステラマリスの集い(支部同窓会)が行われています。今年は東京で開催され、100名以上の方が集まられました。海星を卒業し、国内外のあらゆる地で活躍されている皆さんも、ぜひ「ステラマリスの集い」にお越しいただきたいと思います。時代とともに、同窓会の在り方なども大きく変わろうとしていますが、母校とともに発展するステラマリス会をぜひご支援ください。
時田 郁江(ときた いくえ)
芦屋市生まれ。神戸海星女子学院高等学校、嵯峨美術短期大学を卒業後、㈱KOKKAにテキスタイルデザイナーとして就職、企画、配色、デザインを手がける。2004年ステラマリス会総会担当、その後、会計、副会長を経て、2016年より会長。二男一女の母。特に娘が活躍するダンスのサポートで、衣装作りや舞台等のお手伝い、時に観賞するのも楽しみ。芦屋市内の小学校で、阪神大震災の語り部も続けている