2018年
10月号
3児の母でもある。育児をしながら創作活動を行う。作品と同じシリーズで着物と帯のデザインも手掛ける

輝く女性Ⅱ Vol.5 画家 中北 紘子さん

カテゴリ:絵画, 芦屋

インタビュアー・三好 万記子

人気料理サロン「ターブルドール」代表の三好万記子さんがホスト役となって、
輝いている阪神間在住の女性にお話を伺うシリーズ。
おもてなし上手な三好さんとの対談から、どんなオイシイお話が飛び出すことでしょう。

画家 中北紘子さん

人間の心のなかにある感情を描く。衣・食・住と同じ、
描くことは、私の一部に組み込まれています。

今回は、芦屋にある中北さんのアトリエでの対談です。ビビットで開放的な色彩の作品が並ぶ空間はとっても明るく、外は厚く重い雲が垂れさがる雨模様だったにも関わらず、気分はまさに晴天! 完成作品のみならず、六本木ヒルズ森ビルの会員制クラブ「六本木ヒルズクラブ」に飾られる作品など、現在制作中の作品も拝見しながらお話を伺うという貴重な時間を過ごしました。

…はじけるような色合いのお花やシャンデリア。ビビットで豊かな色彩からはエネルギッシュな情熱と、ホッとするような温かさや癒しも感じられ、観ているだけで前向きな気持ちになれますね。まずは中北さんの作品に込められる思いを教えてください。

私は絵のなかに、世の中に存在する秩序と無秩序、といった相反する要素の重なりを捉えています。私たち人間はさまざまな世の中の秩序にとらわれ、まっすぐに生きたくても、生きていけません。その一方で世の中には計算や意図がない自然の美しさや強さ、はかなさをもつものも存在します。人間は、何事へもとらわれない純粋な美しさへの憧れがあります。純粋に真っすぐに生きている花、人間の感情を客観視しているシャンデリアをモチーフとして人間の感情を移入し、作品を描いています。

…柔らかな明るい色彩と、何かしら意思をもっているかのように見える緊張感のある形が、絶妙なバランスで絵の中に存在していますね。絵画でありながら、立体的な表現が心に迫ってきます。

舞い散る花びらをモチーフにした作品は、油絵の具に砂を練りこんで、立体感を出しています。さらに、金箔や銀箔を用いることで、画面へのメリハリを生かしています。作家さんによっては最初に構図や描くものを決めて制作される方もいらっしゃいますが、私の場合、頭の中に完成イメージを残しておいて、心の中からあふれ出す感情を色彩でキャンバスに表現し描き進めていきます。

…制作途中の作品は、どのように筆が加えられて完成するのか。想像するだけでワクワクしますね。六本木ヒルズ森ビルや、多様な空間をもつ表参道・青山エリアにある新生堂ギャラリーなど、引く手数多ですね。芸術に目のこえた第一人者のファンが多い中北さんにはご自身の個展のほかにも、次々と依頼が舞い込み、てんてこまいにはならないのですか。

いくつもの作品を同時進行で描いていきます。ひとつの作品に集中すると、集中し過ぎて客観視出来ないからです。あえて他の作品に意識をもっていき、戻って見てみると、違うものが見えてくる。新たな気づきがあり、また違った描き方ができるんです。

…それは仕事でも言えることですね。視線を変えると、目のつけどころも変わり、心の状態も変化します。煮詰まらず、斬新なアイデアがわいてくる場合も少なくありません。個展などに出展する上で大切にしている点はありますか。

私の場合、絵に対するコンセプトは決まっていますので、会場となる空間をイメージしながら、絵のサイズや色彩、光の当たり具合、ご覧いただく方の気持ちを大切にしながら描いています。
 
…画家を目指されたのはいつ頃からですか。

幼少の頃から物を作ったり色を作ることが好きでした。ある日、図工の授業で紅葉を描いたのですが、誤って全く違う色を落としてしまい、偶然にも紅葉がいっそう美しく表現でき感動し、より色彩への魅力を感じ追求したいと思いました。また、いつも下校時に見ていた夕陽には、心に作用する特別な力があると思い、この夕陽の様な人の心を感動させ、幸せな気分を与える事の出来る絵を描きたいと、自然と画家を志していました。

…海外での活動も注力されていますね。

はい。今年11月末にニューヨークで個展を開きます。8年前、主人の仕事の関係でカリフォルニアに2年ほど、住んでいました。勿論制作は、カリフォルニアでも行っていましたが、私の場合、日本とカリフォルニアで描く絵は色彩が微妙に違います。それは海外の空気感や開放的な気分などによると思います。日本に作品を持ち帰り眺めてみると、日本で描くのとはまた違った新たな発見があります。なので、カリフォルニアのアトリエは今でもそのまま残しています。

…空気の色が全然違いますものね。私もパリに暮らしていたことがあるのですが、当時と全く同じ素材で同じように料理をつくっても、日本では味が全然違います。暮らしたからこそわかる空気感やその経験値から導き出される技ってあると思います。今、制作の中心となっているのが芦屋のアトリエ。芦屋の空気感はいかがですか。

山の風、海の風、その香りが混ざり合ったカリフォルニアに近い空気感がありますね。芦屋で誕生し、今でも世界中で高い評価を受ける前衛美術団体「具体美術協会」や、谷崎潤一郎など、文化的な要素が高い土地柄で、自然に囲まれながら自分の時間をゆっくり楽しむ方が多いように感じます。

…東京やニューヨークのもつ、最先端で早回しなイメージとは違った、芦屋ならではの魅力ですよね。現在、お住まいも芦屋ということで、3人のお子さんのお母様でもいらっしゃいます。ご結婚、ご出産され、制作活動に何か変化はございましたか。

 私の作品のコンセプトである、「作為と無作為の共存」ですが、人間は、本来子供のように真っすぐで、純粋に生きたい生き物ではある。けれども、大人になると作為的に物事を考えなければ上手く生きていけない・・・というコンセプトなので、子供が生まれてからは、実際子供である彼らから、物事はどのように見えているのかと子供と同じ目線にたち、ヒントをもらう事は時々あります。

…地元芦屋の「GALERIE ASHIYA SCHULE」で、来年の3月2日から1ヶ月間、個展を開催されるとか。とても楽しみです。神戸から世界へ羽ばたき、どんどんと大きな存在となられる超美人な画家。その作品の「ひろがり」や「つながり」に無限の魅力を感じますね。

対談ホスト役の三好万記子さん(写真左)と中北紘子さん(写真右)。お二人が知り合うきっかけは、三好さんのご主人のお母様と、中北さんのお母様が小林聖心女子学院の先輩後輩で、又それ以外にも色々な所でご縁がある事を知っていく。その後、三好さんの料理教室に伺ったり、ホームパーティのケータリングをお願いしたり、沢山のご縁を喜んでいるご様子。

3児の母でもある。育児をしながら創作活動を行う。作品と同じシリーズで着物と帯のデザインも手掛ける

「FLOWER」 oil and sand on canvas 2017

「Game」 acrylic and mixed media on canvas 2016

「Love」oil and sand on canvas 2018


三好さんからの質問コーナー

Q.ハマっているグルメや気になるお店はありますか?

A.外食はほとんどぜず、母の味を大切にして欲しいという思いがあります。

特に家族は私がつくるキッシュをとても気に入ってくれています。私の場合レシピはなく、冷蔵庫にある素材をアレンジして作ります。絵の制作と似ていますね。決まりはなし、そこにある素材やアイデアをいかに活かすかがポイントです。


中北 紘子

1981年、兵庫県生まれ。2006年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画第四研究室修士課程修了。20歳から大阪のギャラリー「ラ・フェニーチェ」「ギャラリー・ヤマキ・ファインアート」「梅田画廊」、銀座のギャラリーなどで個展を精力的に開催。また、韓国、ニューヨーク、ロサンゼルスなど海外でのグループ展にも多数出展。2018年2月には阪急うめだ本店にて個展を開催。現在、芦屋市にアトリエを構え制作活動中。

三好 万記子(みよし まきこ)

株式会社ターブルドール 代表取締役
神戸女学院大学卒。パリに3年間滞在中、フランス料理を学ぶ。ル・コルドン・ブルーにて料理ディプロマ、リッツ・エスコフィエにてお菓子ディプロマを修得。帰国後、西宮市・夙川にて料理サロン「Table d’or」主宰。また出張料理人としてケータリングも展開、料理はもちろんディスプレイを含むトータルコーディネートに定評あり。企業へのメニュー開発、レシピ提供など、「食」を幅広くプロデュース。二児の母。

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