10月号
六甲大祭り Made in ROKKOがみせるミライ|六甲学院OB会75周年
六甲学院同窓生の会「六甲伯友会」75周年を記念して、8月11日に「六甲大祭り」が開催された。50期生(昭和49︲50年生まれ)が中心となりOBたちで全て手作りされ、母校・六甲学院をステージにして開催されたお祭り。酷暑といわれた夏の一日、学舎にはOBをはじめ、その家族、六甲現役生、多くの一般の人たちが集まった。
本校舎5階のメイン会場では、50期生の吉田浩一郎さん(㈱クラウドワークス代表取締役兼CEO)による基調講演、同じく50期生で現在、東京交響楽団を中心に活躍するバイオリニスト廣岡克隆さんのコンサート、また現役生の弁論大会が開かれ、いずれも満席の会場は拍手と感動に包まれた。
3階の教室に設けられた5会場では、古泉肇校長、渡邊頼純さん(29期生/慶応大学教授)、五百旗頭薫さん(49期生/東大教授)の講演の他、「東大VS京大 君はどっちに行くべきか?」、「医者VS弁護士 目指すならどっち?」、「名物授業をもう一度 六甲学院が誇る『化学』の授業」、「人生いろいろ:20年後のキミはどこでなにをしている?」など、20コマの講演やトークセッションが開催された。六甲学院OBから、後輩や子どもたちに向けて大学選びや仕事選びについて、さらに同窓生や一般に向けて趣味やビジネス、生き方について等々、巧みな語り口で会場を大いに沸かせた。多くの会場で、立ち見がでるほどの盛況ぶりで、参加者も熱い視線を送った。
また、現役生が紹介する学校生活の話や学内案内ツアーは中学受験を目指す小学生たちにも六甲学院を知る良い機会になった。
伯友会75周年記念式典では、石光一郎会長、近藤健副会長の挨拶の後、六甲学院80年の歴史を物語る感動の映像「六甲学院誕生物語」を上映。阪神大水害に見舞われた昭和13年(1938)、大災害にも負けずに開校した様子や、初代校長・武宮隼人神父の教育など、貴重な写真と共に80年の歩みが紹介された。その後、学校法人上智学院の佐久間勤理事長、古泉校長の挨拶で式典は締めくくられた。
式典の後は、同窓生の懇親会。会場は、何と校庭。校舎前のスペースがビアガーデンに。母校を眺めながら、懐かしい思い出話に花を咲かせた。この日だけは、先輩も後輩も「六甲生」に戻り、時が過ぎゆくのを惜しむかのように、楽しく賑やかなひと時を過ごした。
母校・六甲学院を広く知ってもらえた「六甲大祭り」
六甲伯友会 会長
石光 一郎 さん
「六甲大祭り」を開催してくれた50期生は私の教員時代、強烈に印象に残っている学年です。すごいエネルギーをもっていて、生徒指導をしていた私をとても手こずらせました(笑)。今日、基調講演をしてくれた吉田君もそうですが〝やんちゃ〟が多い学年ほど、後になって頑張るんですね。
そして〝あの子たち〟が、「例年とは違う形での同窓会をどうしても母校で開きたい」と言ってね…、保田君をはじめ実行委員会のメンバーは忙しい年代にもかかわらず本当によくやってくれて、素晴らしい集まりになりました。
六甲学院は開校3カ月後に水害に遭い、教員と生徒が一緒につるはしを振るい復興に力を注ぎました。一年目にして教育姿勢が確立し、いくつもの困難を乗り越えながら80年の歩みを進めてきました。今日は、卒業生たちの誇り・六甲学院をたくさんの人たちに知ってもらう良い機会にもなったと思っています。
六甲伯友会 会長
石光 一郎 さん
母校に集い、みんなで作り上げた〝一大エンターテイメント〟
六甲伯友会 六甲大祭り実行委員会委員長
保田 隆明 さん (50期生)
2年前にはもうバシッと構想が出来上がっていました。
まず回顧型にはしない。「面白い人たちと知り合う場にしよう!」。参加してネットワークを広げ懇親し、自分の居る場にもって帰る。会場は「母校・六甲学院!」。25の講演会を開いて、校庭でビアガーデンを。今まではホテルで開催が定石になっていましたが、面白くない(笑)。何年かぶりに母校に帰って来ることに意味があります。そして、「現役生にも『面白い』と思ってもらおう!」。後輩たちも今日はいい経験をしたと思います。さらに「六甲学院をもっと広く知ってもらい、受験を考える小学生の憧れの存在にしよう!」という思いで一般の方にも参加いただきました。
経営学でいう「破壊的イノベーション」。従来のやり方を破壊して新しいことを始める。いろいろなご意見も頂きましたが、今日のこの様子を見て、「やって良かった!」。ホッとしているところです。