10月号
harmony(はーもにぃ) Vol.8 里親って砂糖屋のこと?
公益社団法人 家庭養護促進協会 事務局長
橋本 明
親と暮らせなくて児童養護施設に入所している小学生が初めて里親さん宅に行くとき、職員から聞かされていた「さとおや」という言葉を「砂糖屋」と思い込んでいた、と話していました。
10月は「里親月間」です。といってもまだまだこの制度について知っている人は少ないのが現状でしょう。だからこそどうすればこの制度をもっといろんな人たちに周知できるのかに工夫や努力が続けられているのです。
日本は欧米の多くの国々に比べて親と暮らせない子どもたちの8割以上が施設に入所しています。地域の里親家庭や小さなファミリーホームで生活している子どもたちは2割に満たないのです。厚生労働省は近い将来にはこの割合を30%以上に高めたいとの目標を設定しています。自分の家庭で暮らせなくなった場合、日本も批准している子どもの権利条約はできる限り地域のほかの家庭で暮らすことを保証することを求めています。どの子どもにも里親家庭で暮らす機会を作るためには受け皿としての多くのいろんな里親さんたちの存在が必要になります。
兵庫県下では神戸新聞とラジオ関西の協力で昭和37年から(大阪府下では毎日新聞が39年から)紙面や番組を通して里親を求める「愛の手運動」が続けられています。この56年間に紙面や番組を通して里親の申し込みをした人の数は4万4216人。里親に迎えられた子どもたちは2450人となり、そのうち74%の1819人が里親と養子縁組をしています。
法律で定められた里親(養育里親、養子縁組里親、専門里親、親族里親)のほかに、夏休みやお正月などに数日間施設から子どもを迎える「季節里親」、月に1、2回週末に子どもを迎えて交流する「週末里親」などのボランティア里親もあります。「自分に何かできることがあれば考えてみたい」とお考えの方は協会までお問い合わせください。
愛の手運動は親に育てられない子どもたちに、
里親・養親を求める運動です。
募金箱の設置にご協力いただける方は
協会にご連絡ください。
公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所
神戸市中央区橘通3-4-1 神戸市総合福祉センター2F
TEL.078-341-5046 http://ainote.main.jp/wp/
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