2021年
9月号
9月号
わたせせいぞうインタビュー
何もしない時間と、本と、音楽…
旅先の海で育む、WATASE′S STORY
今月は表紙に「HEART VACATION」のイラストをお借りしています、わたせせいぞうさん。お好きな旅、本、音楽、これからのこと…白金台のギャラリーにて、シアワセあふれる作品に囲まれながらお聞きしました。
旅先ではずっと海を見ている
想像する空間をつくるため
Q 今月はわたせ作品がいっぱいです。「青」が印象的ですね。
夏と海が大好きなんです。だから、海の色は特に大事に描いています。毎年カレンダーの取材を兼ねて島に旅しますが、海の色を見るのが目的。海の色って全然違うんですよ。実際に行って見てみないとわからない。時間を忘れてずっと見ています。
Q 旅ができない状況、創作に影響はありましたか。
絵の中で旅を続けられるので、ぼく自身は変わらないです。記憶や思い出というデータがあるから。次の旅先を考えていました。観光もショッピングもない、シュノーケリングして、本を読んで、あとは淡々と海を見ているだけ。そんな旅がしたくて、島を探してる(笑)。
わたせせいぞう
1945年神戸市生まれ。早稲田大学卒業後は損保会社のサラリーマン生活の傍ら、趣味で始めた漫画家の二足のわらじで作家活動を開始。代表作となった『ハートカクテル』は、1983~89年「モーニング」(講談社)に連載され後にテレビでアニメ化。当時の若者から絶大な支持を得た。阪急神戸線のラッピングトレイン(2015~17年)やJR東日本・大人の休日倶楽部(2020年~)等、繊細で色彩豊かなタッチで描かれるイラストは、企業用ポスターとしても幅広く採用されている。現在は『ワンダーカクテル』(小学館メンズプレシャスWeb)や、『なつのの京』(小学館ビッグコミック増刊号)の連載も行いながら、イラストレーターそして漫画家として幅広く活躍中である。