5月号
こだわりの神戸ビーフ
外池 祐樹 さん
帝神畜産株式会社 代表取締役社長
神戸ビーフの海外輸出を実現
今年1月、神戸ビーフがマカオへ輸出されました。神戸ビーフがはじめて海外に輸出されたことになりますが、海外に出るのは世の中の流れでありあまり抵抗は感じていません。国内の需要は下降してる部分もありますので、日本の農家の事を考えたら、ある程度牛の価格の安定化をはかるためにも良いことだと思います。
神戸ビーフは稀少ですので、輸出といっても量的にはとても少ないものです。一方で、海外では「日本の牛=神戸ビーフ」というイメージがあるようです。
もともと140年くらい前に外国人が神戸の居留地に来て、神戸のビーフが美味しいと言ったのがはじまりですから、外国の人には神戸ビーフ=日本の牛という概念があるようです。ですから、神戸ビーフの位置づけを正しくする事が課題です。一方で本物の神戸ビーフを出荷することにより、証明書を付けるなどいろいろな工夫をして、本物の神戸ビーフとそうでないものがはっきり区別できますので、ブランドの確立ができるのではないかと期待しています。
帝神畜産もこの4月にマカオに輸出を始めました。神戸ビーフだけでなく、熊本の施設もマカオ向け認定を取得しましたので今後は、帝神畜産で扱っている熊本県産の牛肉も扱う予定です。
マカオを選んだのは、香港と輸出基準が違って規制が緩和されていることや、信頼できるパートナーがいること、そして、カジノがある観光都市なので世界中の人々が来ます。世界へ向けてのPRになることも視野に入れています。
人気を集める感謝祭
本当は神戸に来て神戸ビーフを食べていただくのが理想です。帝神畜産直営の神戸ビーフレストラン「良光」は「神戸ビーフも食べられる」のではなく「本物の神戸ビーフしか食べられない」お店です。スープを取るのも神戸ビーフです。
神戸牛があっさり系ならば、熊本牛はこってり系です。帝神で扱っている牛の約7割は熊本県産の牛ですが、評判は上々です。
ネット販売「黒と白や」の拡大はあまり考えていません。ネット業者と組めば拡大は可能ですが、ロイヤリティの関係で適正な価格が保てなくなるからです。もともと高級ブランドをイメージしていたのですが、時代の流れを考え、クォリティの割にお得感を感じていただけるようにと本社に「黒と白や」の直売店を設けました。値段もぐっと下げてお得です。
また、年に数回、本社で感謝祭を開催しています。お客さんも1000人くらい来られ、大盛況です。国産の和牛を卸価格で売っていますので、経費を引いたら赤字ですが(笑)。でも、みなさんに美味しいお肉を食べていただきたいので、今後も続けます。
嘘・偽りのない本物を
外池良光会長はとにかくきっちりとして真面目です。筋道をちゃんと通して曲がったことが嫌い。僕はどちらかというと大ざっぱですので(笑)、会長を見習わないといけないですね。
これからも会長の思いを引き継ぎ、良いものを食べていただけるように、美味しいもの、自信の持てるものを供給していきたいと思っています。熊本牛を手がけて40年になり、農家の顔もすべてわかっています。
神戸も信頼できる中西グループにほぼ限定して買っています。出所がはっきりしていて、自分たちが薦められるものを売ることが大切です。卸し先には出来るだけ食べに行って味をチェックしています。自分たちも味を勉強し続けたいですね。安心して食べられる、嘘・偽りのない商品をお届けしたいと考えています。
商売を大きく広げようとは思っていません。「きっちり、堅実に」が基本です。8年前に東京へ、昨年は新潟へ進出と少しずつ広がってはいますが、上場企業にしようとかは考えていません。
帝神畜産株式会社
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