9月号
つながり・支えあい・ 絆へ
10月19日(金)~21日(日)、神戸で「第34回地方自治研究全国集会(兵庫自治研)」が開催
自治研について
全国で隔年開催されている自治研ですが、神戸では初めての開催です。全国から2千500~3千人ほどが集まり、全体集会とテーマ別分科会が予定されています。13の分科会の中でも特に第3分科会の「自然災害に強いまちづくり(災害から見えた自治体の役割)」は阪神・淡路大震災を経験した都市として、より白熱した討議が期待されるテーマです。
自治労とは
全日本自治団体労働組合(自治労)は、県庁、市役所、町村役場など全国の自治体職員を中心とする公共サービス労働者で構成される労働組合で、1954年に設立されました。兵庫県本部には現在、約4万人の組合員がいます。来年には都市交通も同じ公共事業を担う仲間として組織統合する予定です。近年は自治体の事業が民間に委託されるケースが多くなり、そういった民間企業で働く人の加入も進み、増えてきた非正規労働者も含め、労働者の権利を守り、また自治労の組織力を高めていくことを目指しています。
東日本大震災を支援
自治労では、募金活動や物資集めのほか、ボランティアを組織しました。昨年4~6月にかけて兵庫県本部から約120人が、被災自治体から要請を受けて、被災された職員の支援活動に参加しました。また自治体や連合の支援要請にも積極的に協力し、阪神・淡路大震災で得たノウハウを生かして指導にも取り組みました。また職種別に持つ横のつながりを利用した支援も行いました。
17年前の震災を経験した兵庫は、昨年の東日本大震災は他人ごとではないという思いがあります。私も被災地へ支援に出かけましたが、「兵庫神戸から来ました」と話すと、「よく来て下さいました」と特別な思いを持って受け入れていただきました。現地の様子を見ると、阪神・淡路とは規模も違い、特に原発事故で住めなくなった場所もあり、状況が全く違います。対応の仕方も全く変わってくるだろうという印象を持ちました。
公共サービスのあり方を考える
私たちは以前から公務員の意識改革を進め、仕事のあり方、公共サービスのあり方を研究してきました。それでも不祥事が後を絶たないのが現実です。例え100回良いことをしても1回の不祥事で全てが帳消しになります。自治体職員に対する批判も厳しくなっていますが、私たちの仕事を必要としておられる人もたくさんいるのも事実ですから、その思いを大事にしながら私たちがどうあるべきかを自治研を通じて考えていきたいと思っています。
現場に携わる人は限られた人員と予算の中で、サービス向上のために頑張っています。そういったことも数多く発表されます。今までにも、ゴミの分別や救急医療体制などの提言がなされ、政策課題として取り組み成果を上げてきました。
各自治体からも分科会の議論に参加いただいていますし、もちろん市民の皆さんにも参加いただけます。
自分の町を好きになろう
神戸市役所職員も四分の一が震災を知らない世代になりました。経験を風化させずに、元気になった神戸を発信したい。町の再生は必ずできると東北に向けて勇気を与えたいと思っています。もちろん、震災関連に偏ることなく、医療、福祉を始め、公共サービスのあり方を追求することも重視しています。
自治労は自分たちの労働環境を良くすることが大きな役目ですが、一方、自分たちの町を良くし見つめ直す努力もしています。他都市からの参加者には神戸を見て、美味しいものを食べてもらって、そして自分が住む町に帰った時に、「やっぱり自分の町はいいなあ」と再認識していただければと思っています。自治体の仕事をするには自分の町を好きになることが一番大事なことではないでしょうか。それが公共サービスの向上につながるはずです。
自治労兵庫県本部 委員長 本多 義弘(ほんだ よしひろ)
市従業員労働組合の役員となり、書記次長・書記長を歴任し、2004年より同労働組合の執行委員長に就任。2005年より自治労本部現業評議会議長(2年)・神戸市労働組合連合会委員長(5年)の要職を担い、2010年より自治労兵庫県本部執行委員長に就任、現在に至る。2010年より連合兵庫(日本労働組合総連合会兵庫県連合会)副会長を務め、現在に至る。