10月号
有馬温泉の伝統的なお土産・民芸品
歴史ある有馬のお土産は、どれも歴史と風情が感じられるものばかりです。
有馬籠
太閤秀吉とともに有馬を訪れた千利休の求める茶道具として作られたといわれる、有馬の竹細工。その伝統を受け継ぐ「有馬籠くつわ」では、職人が上質な竹を使い見事な手さばきで編み上げます。本店では店内で実演が行われていることも。花を活かす花器としてだけでなくさまざまな用途で使われる伝統的な「有馬籠」以外にも、おしゃれなかごバッグや、使いやすい竹箸、鬼おろしなどの竹製キッチン用品も人気を集めています。
■有馬籠 本店
神戸市北区有馬町1049 TEL.078-904-0364
9:00~18:00 水曜日定休
人形筆
飛鳥時代、御子がないのを嘆かれていた孝徳天皇と皇后宝皇女が有馬温泉に入湯したところ、皇子が誕生したことにちなんで「人形筆」がつくられたと伝えられています。美しい絹糸を巻いた筆の中にカラクリがあり、筆を立てると人形がピョコンと顔を出す仕掛けになっています。現在では有馬の「西田筆店」のみが筆を手作り。店頭から作業を拝見できることもあります。
■(灰吹屋)西田筆店
神戸市北区有馬町1160 TEL.078-904-0761
9:00~17:30 水曜日定休
松茸昆布
室町時代、周辺の野山で採れたマツタケ、サンショウ、ヤマブキなどを炊いて湯治客に提供したと文書にはあり、江戸時代になると北海道産の昆布などが関西にも運ばれるようになって昆布とマツタケの『松茸昆布』が生まれました。室町時代からの製法を受け継ぎ、じっくりと時間をかけて炊き上げることによって、素材のうまみを引き出します。
炭酸せんべい
明治40年、有馬に湧く炭酸水に着目し有馬の名物として誕生した「炭酸せんべい」。「三津森本舗」では今も手焼きにこだわって一枚一枚焼き上げています。小麦粉を炭酸水で溶かし、添加物は一切使われていません。薄さ3ミリのパリパリの食感に、上品な甘みがくせになる味わい。クリーム入りや、白胡麻入りなども人気です。