2021年
7月号
7月号
特集|最近読んだ一冊|高士 薫
池田輝政はどんな人生を経て
姫路城を築くに至ったのか
姫路城ほど美しく、人に知られた城は他にない。石垣の高さ、そびえ立つ連立天守、層ごとに高さの違う五重の大天守、その壮麗な立ち姿のほぼ全面を白漆喰が覆っている。
見飽きることはない。
片や戦国武将・池田輝政も名高い。その輝政が花隈、尼崎などにも足跡を残しつつ、どんな人生を経てこの城を築くに至ったのかを、本書は余すところなく説き明かしている。
関ヶ原合戦のあと、輝政は播磨五十二万石の大名となった。一族の領地は因幡、備前、淡路にも及ぶ百万石。西の江戸城として威容を誇ったのもうなずける。
池田藩は岡山、鳥取で幕末まで続いた。それが姫路だったらとも、思わずにはいられない。
西国将軍「池田輝政」
著 中元孝迪
出版/神戸新聞総合出版センター 1,980円(税込)
神戸新聞社取締役会長
高士 薫さん