7月号
神戸青年会議所 神戸JCが紡ぐ 20年前から変わらぬ想い VOL.5
海の日にメリケンパークで開催される「みなとまつり」が20回目を迎える。
昨年予定された19回目はコロナ禍で中止に。変わらぬ厳しい状況を乗り越え、開催方法を模索しながらの準備が進められている。20回目の記念開催を前に、第1回目の委員長・佐藤さんと現委員長の宗元さんが対談し、「みなとまつり」にかける想いを語り合いました。
白紙状態から始まった港と海に感謝のまつり
宗元 「みなとまつり」が20回目を迎えます。振り返られていかがですか?
佐藤 正直、嬉しいですね。「大阪の天神祭、京都の祇園祭のような、何百年と続く地域の祭りにしよう!」と始めた一歩が、20年も積み重ねて来られたのですから。
宗元 ずっと参加されているんですよね。
佐藤 JCとして10年、OBとして10年近く。1回目の時に「何十年と続いて子どもができたら一緒に来られたらいいな」と夢をみていましたから、それが叶って嬉しかったです。ゆっくり見られるようになったのは、OBになって自分のタイミングで行けるようになってからですね。
宗元 何も無いところから始めるのは、大変でしたよね。
佐藤 当時は「みなとまつり」という名前すら無く、全てが白紙状態。夏に開催していた「神戸まつり」が、暑さ問題で元の5月開催に戻ったこともあって「海の日に何かお祭りをしなければと。どうせなら『港と海に感謝の気持ちを捧げる祭』を起こそう」と、急遽「海のまつり実行委員会」が立ち上がったんです。当時の理事長の「JC全体で取り組む祭りにしたい」という思いから、広報委員は広報担当、総務委員は経理担当と全委員会に担当を割り振ったから、みんな自分たちの事業がありながらで大変。調整は当委員会がするのですけど、まだ私も30歳で若輩者でしたから、各委員会にも当委員会メンバーにも気も遣いました。
主管はJCですが、いずれは「市民のまつり」としてひとり立ちしてくれればという想いと、兵庫県港運協会や神戸港振興協会の周年イベントが合わさる形で開催できるようになったんです。在神の諸団体様にもお声がけして進めたので、ずっと何かしらの会議をしていましたね。今みたいにペーパーレスではないから、膨大な資料を何度も作って、間に合わないから印刷しながら配りながら行ったりと休む暇がないほどの毎日を過ごしていましたが、なんとか「Kobe Love Port・みなとまつり2002」として3日間、当初は全く予想もしていなかった規模で開催できたのです。
終わってから数年、抜け殻みたいでJC活動にヤル気が出なくて困りました。
宗元 当時のJCは、特にパワフルな人が多くて大変だったと聞いていますが、どんな感じだったのでしょうか?
佐藤 まつりの企画においてもたくさん意見をいただくのですが、みんな好き勝手に言われるのです。何かシンボル的なものが必要だから、神戸ゆかりの芸能人にモニュメントを作ってもらおうとか、七福神を乗せた船を神戸港に浮かべて、みんなで引っ張り寄せようとか。某先輩は「オノ・ヨーコさんを知っているから、ニューヨークに行って会って連れてこい」とかね。経緯は忘れましたが少し会ったことがあるレベルで、会えるかどうかもわからないのに、危うくニューヨークまで行かされそうになりました。他にも、遅くに電話で「今、祭のええ話が出ているからすぐ来い」とか、風邪で寝込んでいる夜中に呼び出しがあり「パジャマでええからすぐ来い」とかね。理不尽でありながら心優しい・・・パワフルな先輩方がおられましたね(笑)。今では「いい思い出」として話せるようになりましたけど、鍛えられました。
無茶もさせられましたけど、ホントに面白かったです。今思うと、みんな若く元気で、本気で活動していたと思います。厳しいことを言う先輩もおられましたけど、めげずに付いていったら、意外と面倒見のいい人が多くて、かわいがってもらいました。今でもお付き合いがあります。最近は、ようやく丸くなったなぁと思いますし、ホッとしてます。
20年目の「みなとまつり」は原点回帰
佐藤 今はコロナで考えなければならないことの次元が変わっているから、歯がゆいところがあるよね。昨年は、開催できなかったし。
宗元 自粛自粛で神戸の街がかなり疲弊していて、一度原点に立ち返って「神戸のまちの魅力は何か」を発信し「神戸の方に活躍してもらう祭」として開催します。委員会名も「みなとまつり委員会」から「まちの魅力発信特別委員会」に変わりました。
人を集められないので、例年のフェスのような祭りは行わず、WEB中継に力を入れた内容で考えています。国際屋台とかの飲食ブースができない代わりに企業ブースを充実、キッチンカーは10台ほど入れますが密にならない開催にする予定です。青少年委員会のブースでは、タイムカプセルの開封をやりますよ。20年前に埋めたタイムカプセルです。大切な物ですから、「みなとまつり」で手渡しすることにしました。他にも、20周年ということで、過去19年の振りかえりパネルを展示します。当時の写真や記事、流行語大賞とかの時事ネタもあるので、懐かしんでもらえればと。最後には、スプラッシュイベントとして、噴水ショーを企画しているんです。
20年前と変わらず「港と海に感謝し、地域のみなさんと一緒に」という伝統を受け継ぎ、神戸の学生たちにも活躍してもらいながら、神戸の魅力を発信します。
佐藤 単年度制のJC活動のなかで、継続事業として行っていくことは大変かもしれませんが、心のバトンを繋ぎながら時代と共にバージョンアップしていただければ嬉しいです。ウォーターフロントの整備も進んでいますし、コロナ禍で動きにくいとは思いますが、無理をせず元気に開催し、発信してください。地域との関わりを大切に30年、40年とみんなで力を合わせ存続していきたいですね。そして、神戸が誇る「みなとまつり」として定着できればと願います。
第20回 Kobe Love Port・みなとまつり
■会期 【海の日】7月22日(木・祝)、【スポーツの日】23日(金・祝)
■会場 メリケンパーク(兵庫県神戸市中央区波止場町2)
■料金 入場無料
■主催 みなとまつり実行委員会
■お問い合わせ TEL.078-303-0075(一般社団法人神戸青年会議所 事務局内)
詳しくは公式サイトを参照ください。