1月号
神戸のカクシボタン 第七十三回 神戸人に愛された懐かしの味が蘇る
写真/文 岡 力
「あの味が新たに蘇る」。昨年、多くの神戸人に惜しまれながら閉館したグリーンヒルホテル神戸。そこで料理長を務めていた岡本勝弘さんのもと同僚5人で開業した店舗が話題を呼んでいる。
中央区京町にある「itsu葉」は、地産地消にこだわったシアワセ運ぶ洋食店だ。店名とロゴにもなっている五つ葉は、厨房を大移動させたメンバーの人数に由来。従業員の結束は固く手際のよいサービスと最高のホスピタリティーであたたかくお客様を出迎えている。
お店で提供している野菜は、西区や淡路島の契約農家から仕入れている。他にも自家製ドレッシング、ぬか漬け、お米マイスター厳選の炊き立てご飯などがメインディッシュのサイドブッフェとして店舗中央にずらりと並ぶ。
この日は、人気の二品を注文。「海老とサーモンのハンバーグ フロマージュブランアメリケーヌソース」は名前の通り海鮮の旨みがソースに至るまでギュッと詰まった逸品。もうひとつの「活鯛と白子の利尻昆布のポシェ 帆立貝のウニクリームソーススープ仕立て」は、洋食でありながら和テイストが漂っており「お米に合うフレンチ」を見事に皿上で表現している。
「柔軟に変化しながらこのお店を作って行きたいですね。従来と変わらず料理の味とお店の雰囲気にこだわっています。色々と企画し神戸経済の発展に一役買いたいですね」と岡本さんは語る。夜は事前に予約すると10名からパーティースペースとして利用できる。また唯一無二の味わいと称される「おかもとのカレー」はテイクアウトも可能である。新天地で進化する懐かしの味をご賞味ください。
■itsu葉 yammy space
神戸市中央区京町67番地 KANJUビル2階
【電】078-515-6135
【休】不定休
【営】 (平日)11時30分~14時30分(L.O 14時00分)
(土日祝)11時30分~15時00分(L.O 14時30分)
https://itsu-ba.com/
■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家
ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載・レギュラー「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)