2019年
12月号
12月号
御大典奉祝記念事業「天神能」
清盛が夢見た「福原京」に思いをはせる
異人館の街、北野の名前の由来となっている北野天満神社。今から約850年前、平清盛の「福原遷都」にあたり、都があった京都の方角から鬼門にあたるために、「禁門守護」「鬼門鎮守」として建立されたと伝わる。
10月27日には、御大典奉祝記念事業として「天神能」が拝殿で奉納された。なお、今回の演目は、「福原遷都」を舞台に、新作能として書き下ろされたもの。平安京にいる清盛(上田宜照)が夢の中で老人(上田拓司)に出会い、神戸に都を築くことを勧める。この老人は、実は菅原道真であり、清盛は福原に都を築くことになる。さらに、北野天満宮から天満天神を勧請し、福原京の北にお宮(北野天満神社)を建てるという物語。
静寂に包まれた境内に、笛や鼓の音がこだまし、観る者を幽玄な世界へ誘った。清盛が夢見た福原京の儚い夢が今の時代によみがえった。