2019年
7月号
対談ホスト役の三好万記子さん(右)と杉本隆英さん(左)美代子さん(中央)。隆英さんと美代子さんは中学の同級生。結婚35周年にあたる2013年には二人の出会い、3年2組9番をイメージした「シャトー・イガイタカハスパークリングワイン "Sign to the Story" 3209」をリリース。人生のスタートを飾る記念ワインとして話題を集める。

輝く女性Ⅲ Vol.1 ワインブランド「シャトー・イガイタカハ」
代表杉本 隆英さん杉本 美代子さんご夫妻

カテゴリ:日本酒・洋酒・ワイン, 西宮

インタビュアー・三好 万記子

人気料理サロン「ターブルドール」代表の三好万記子さんがホスト役となって、輝いている阪神間在住の女性にお話を伺うシリーズ。
おもてなし上手な三好さんとの対談から、どんなオイシイお話が飛び出すことでしょう。

ワインブランド「シャトー・イガイタカハ」 代表杉本 隆英さん杉本 美代子さんご夫妻

一緒に飲む人やシチュエーションがポイント。
「ワインを一緒に飲む、おいしい時間を大切に」がコンセプト。

連載「輝く女性」の第3弾シリーズでは家族愛に満ちたご夫婦にも時折、登場いただき、奥様の輝き具合を、旦那様からの視線も交えて探ることを目論んでいます。
記念すべき第1回は話題のワインブランド「シャトー・イガイタカハ」を経営する杉本隆英さん・杉本美代子さんご夫妻です。JAL国際線のファーストクラスやミシュラン星付きレストランなどで提供されている、話題のワインブランドの誕生秘話を伺いました。


…日本のワインの中でもトップクラスを誇る「シャトー・イガイタカハ」を手掛けられているお二人。なんと隆英さんは44歳までほとんどワインを飲んだことがなかったとか(!?)。

隆英さん 当時勤めていたシリコンバレーの企業で一番の売上成績を出した祝賀パーティを開いてもらったんです。その時のご褒美のカリフォルニアワインに惚れてしまって。ラスべガスで世界中の敏腕営業マンと一緒に飲んだというシチュエーションと相まって感銘も大きかったのだと思います。それ以来、自分でも驚くほどにワインの趣味にはまっていきました。カリフォルニアワイン愛飲家1500人による「カリフォルニアワインのファンクラブ」を立ち上げ、そこで知識を増やし、また人間関係も構築していきました。

…そのときはまだ趣味の域だったのですね。お仕事として始められるきっかけは?

隆英さん 「二人の娘の名前入りワインを作り、彼女達の結婚式で祝ってあげたい」と思いついたことがきっかけです。娘なので嫁入りすると苗字が変わってしまいます。それで家紋の「丸に違い鷹羽」をシンボルにし、家紋名の『チガイタカハ』からワイナリーは「Ch.igai Takaha(シャトー・イガイタカハ)」と名付けました。
美代子さん 彼も私も自分の仕事を引退して、第二の人生を始めるにあたり、二人で一緒にできることをしたいねと。それならばお互い大好きなワインがいいと、私も手伝うことになり、本格的なビジネスがスタートしました。日本人としての愛と誇りと思いを込めて(笑)、カリフォルニアで造って日本で販売することで、日本とカリフォルニアを繋ぎたい、そういった想いも持って取り組んでいます。
隆英さん ビジネスと意識してからは彼女の方が主導権を握って切り盛りしています(笑)。ラベルに漢字をほどこしたシリーズやPaul Lato氏が造る『心ワイン』の書も彼女が書いているんですよ。おかげさまで、唯一無二の味とラベルデザインに世界から評価をいただけるようになりました。

…普通、ワイナリーを作るには、醸造所や畑が必要です。

隆英さん 僕たち自身はブドウ畑も醸造施設も持っていませんので、カリフォルニアでもトップクラスのワインメーカーにコンセプトをお伝えしてつくってもらっています。ワインメーカーさんとの出会いは2002年。当時、麻布十番でカリフォルニアワインだけに特化したレストランを経営していた時に、2人で現地に足を運び、彼らが作り上げたワインを日本の僕たちのお店で提供していました。今では超人気ワイナリーに成長されましたが、無名時代だった頃からの縁で、ずっとお付き合いしていただいています。

…お二人の人柄によることも大きいのでしょうね。ワインのコンセプトは、どのようなものですか?

美代子さん 例えば、『ヒラメの昆布締めに合うシャルドネ』とか和食・日本人の口に合うワインをめざしています。ワイナリーの彼らは外国人ですが、私たちより日本のことを知っています。日本贔屓なので心配はないですね。ワインメーカーとテイスティングして味を決めていきますが、こちらに専門知識がないからこそ先入観なく、つくることができるのだと思います。自分のそのときの舌だけの感覚で美味しい、料理に合う味を見極めていきます。

…奥様は最高の頼れるパートナーなんですね。

隆英さん はい、僕はそう思っています(笑)。
美代子さん ただし最初から商売が順風満帆だったわけではありません。ちょっと高くてもそれだけのお金を出す価値があると認めてくださる方が少しずつ増え、プレゼントに使っていただき、受け取った人がご自身で購入されて…という具合に広まっていきました。娘が三好先生のお料理サロンに通わせてもらったことで、三好先生のパーティで使っていただくなど、ワインが様々な縁をつないでくれました。

…JAL国際線のファーストクラスでも提供されていますね。

美代子さん 当時採用されていたワインの人気が高まり品薄で供給できない状況になり、うちのワインに白羽の矢が立ちました。それもラッキーな偶然が重なってのことです。たまたま一緒にカリフォルニアのサンタバーバラに旅行したことがあるソムリエの大越基裕さんがセレクトの役目を請け負われ、うちのワインを推薦してくださいました。私たちはなかなかファーストクラスには乗れませんが・・・(笑)。
隆英さん 一度だけ乗ったでしょ。ホワイトデーのお返しにファーストクラスで赤ワインを飲もうというサプライズプレゼント。
美代子さん ああ、そうだったわ(笑)。

…旦那様はロマンチストで、奥様はクール。お二人の熱加減が絶妙なバランスですね(笑)。憧れのご夫婦として有名なのもわかります。

隆英さん 毎年、11月22日のいい夫婦の日に、その年の二人のワインをリリースします。僕の隆英の“隆”と美代子の“美”からとった「ドラゴンビューティ」というワインです。

…ウィットに富んでいますね。ネーミングやラベルデザインがまた食卓の会話を誘いそうです。

美代子さん 私たちはおしゃべりして、おいしい料理を楽しむなかに、ワインも一緒にあれば、時間がもっと豊かになれると考えています。おいしいワインにこだわるというよりは、ワインを一緒に飲むおいしい時間にこだわってほしい。飲むシチュエーションや誰と飲むか、が大事なんです。

…ワインのウンチクではなく、居心地のよさ。皆で心地良さを共有しながら飲むワインは最高ですものね。

隆英さん 和やかに飲むと同じワインでもより美味しく感じるものです。そのシーンで記憶に残り、また飲みたくなる。
美代子さん 私たちはワインで人とのつながりも増え、人生が変わりました。仕事一辺倒だった男性はリタイア後、私的なお付き合いを始めるのが難しいと言われていますが、私たちはワインを通じて年齢層や職種、全く違う世界の方と知り合えて、情報も元気もいただいている。本当にありがたいことだと思います。今は新たな試みとして山梨産ブドウ「甲州」をカリフォルニアで栽培してワインづくりに挑戦しています。今年の末か来年にはカリフォルニア産の甲州ワインを日本でリリースできたら嬉しいですね。

…世界初、アメリカ大陸の甲州ワインですね。お二人の愛の力、ワインへの想いの力で、日本の品質が世界に広まっていくことを楽しみにしています。

対談ホスト役の三好万記子さん(右)と杉本隆英さん(左)美代子さん(中央)。隆英さんと美代子さんは中学の同級生。結婚35周年にあたる2013年には二人の出会い、3年2組9番をイメージした「シャトー・イガイタカハスパークリングワイン “Sign to the Story” 3209」をリリース。人生のスタートを飾る記念ワインとして話題を集める。

家紋「丸に違い鷹羽」をシンボルとしたワイナリー「シャトー・イガイタカハ」の家紋ワイン


三好さんからの質問コーナー

Q.ハマっているグルメや気になるお店はありますか?

A.うちのワインのコメントもお願いしている、ソムリエの大越基裕氏が奥様の桃子さんと経営する、外苑前のベトナム料理レストラン『An Di』です。ベトナム料理をフレンチっぽくアレンジしていて、おすすめは茶葉を使用したティーリーフサラダ。福岡県産八女茶の発酵茶葉が醗酵ワインにぴったり。料理とワインのマリアージュが素晴らしいですね。


ワインブランド「シャトー・イガイタカハ」 代表 杉本 隆英・杉本 美代子

1968年兵庫県西脇市立西脇中学校の3年2組出席番号9番として出会う。1978年に結婚。隆英さんはコンピュータ・エンジニア、美代子さんは薬剤師として活躍。1999年にカリフォルニアワインファンの集い「カリフォルニアワインファンクラブ」を主催(2010年6月解散)。2002年7月麻布十番にワインレストラン「カリフォルニアワインガーデン」をオープン(2012年7月閉店)。隆英さんは2007年1月、美代子さんは2008年11月にリタイア、以降ワインのある生活を堪能。 https://takaha.jp

三好 万記子(みよし まきこ)

株式会社ターブルドール 代表取締役
神戸女学院大学卒。パリに3年間滞在中、フランス料理を学ぶ。ル・コルドン・ブルーにて料理ディプロマ、リッツ・エスコフィエにてお菓子ディプロマを修得。帰国後、西宮市・夙川にて料理サロン「Table d’or」主宰。また出張料理人としてケータリングも展開、料理はもちろんディスプレイを含むトータルコーディネートに定評あり。企業へのメニュー開発、レシピ提供など、「食」を幅広くプロデュース。二児の母。

〈2019年7月号〉
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