2018年
11月号
11月号
北野ガーデン古典芸能イベント 爽秋の宴 芝能「小鍛治」を開催|NEWS 神戸百店会
剣を打ち献上するようにと命を受けた刀鍛冶、宗近は、技量のある相槌がいないと断るが、帝が霊夢を見た上での勅命ゆえ安心して引き受けよと伝えられ、信仰していた稲荷明神を参拝する。すると童子が現れ、剣を打つ準備をして待てと言い残し消えていった。宗近は仕事場で一心に祈ると、稲荷の使いの狐が出現して鍛冶の相槌を務め、無事に献上品の名刀「小狐丸」ができあがり、狐は稲荷明神へ雲に乗り帰って行った─。
そんな不思議な物語が10月3日、北野坂の洒脱なレストラン、北野ガーデンの美しい庭で能として演じられた。すすきを柱に見立てた風雅な舞台では静かに進むストーリーをせせらぎの音と虫の声が包むも、終盤、剣を打つシーンではエネルギッシュな舞いと地唄に圧倒された。
「天下第一の二つの銘の御剣にして、四海を治め賜へば、五穀成就もこの時なれや」。終演後、観衆たちは伝説に彩られた我が国の実りの秋を舌で愛で夜長を愉しんだ。次回は来年4月3日開催予定。
北野ガーデン
TEL 078・241・2411
神戸市中央区北野町2-8-1
http://www.kitano-garden.com/