9月号
ローテ・ローゼ40周年 日本にドイツワインの美味しさを
1970年代、日本国内で嗜好されていたワインといえば、フランス産が主流だった。そんな時代にドイツワインを日本国内に広めたのが、㈱ドイツ商事「ローテ・ローゼ」。
40年以上前、創業者の中谷嘉宏さんは、世界青少年交流協会の一員として西ドイツを訪れた。ある日、ホストファミリーの食事会に招かれ、そこで一杯のドイツワインと出会う。フルーティで口当たりが良く、その美味しさに感動し、すっかり虜になった。帰国してからもその美味しさが忘れられず、1978年、神戸に「ローテ・ローゼ」を創業することになった。40年もの間、品質にこだわるドイツのワイナリーを毎年訪れ、互いの信頼関係を築いたことで、多くのワイナリーと取引を行い、「ローテ・ローゼ」の発展につながった。
7月15日には、「ローテ・ローゼ40周年記念パーティー」が、エスタシオン・デ・神戸で開催され、全国からローテ・ローゼファンが集った。松田耕治社長は、「40年以上前、日本の学生が交流のために西ドイツに招かれました。そのうちの一人が私です。ビールを飲んでやろうと意気込んでホストファミリーに伺うと、出されるのは毎晩、美味しい白ワイン。あのグラス一杯のワインがなければ、私は中谷とも出会っていなかったし、皆さんとも出会うことはありませんでした。あの一杯のグラスワインに感謝したいと思います」。
パーティーでは40周年を記念して、厳選した40種類のワインが振る舞われ、エスタシオン・デ・神戸も40種類のワインに合う趣向をこらした料理で参加者を唸らせた。抽選会では、1978年ヴィンテージのアイスヴァインをプレゼントするなどワイン好きにはたまらない計らいも。
一杯のグラスワインから生まれたローテ・ローゼの物語。今年はイタリアンレストラン「アランチェート」をオープンさせ、新たな食とワインのマリアージュを提供している。50周年に向けて新たな1ページが描かれた。