2013年
5月号
5月号
向山和子さん ハンガリー文化交流貢献賞受賞記念展を開催
静寧な別世界に、魂が震える感動をおぼえた。
水墨画家の向山和子さんが、3月14日~20日、生田神社会館で「受賞記念展」を開催。向山さんが夫とともにハンガリーに在住したこともあり、夫の向山毅さん(京都大学名誉教授)は、ハンガリー学術研究で名誉博士号を授与され、和子さんは芸術部門で個展開催や日本文化講座講師をつとめるなど35年間ハンガリーと交流した。著書『向山和子の世界』の中でもハンガリーに関する記述が多く、これを見たブダベスト大学のヴィハール教授が、昨年ハンガリー語で翻訳出版。また、ハンガリー日本友好協会会長でもあるヴィハール教授から、平成24年「文化交流貢献賞」を授与された。今回の展覧会は、23年に神戸市文化活動功労賞を受賞したことと二賞合わせた記念展だった。
オープニングには140人が集まり、生田神社の加藤隆久宮司の挨拶で始まった。男声カルテット、梅村憲子さんのソプラノ、ジプシー音楽演奏など、音楽を愛する向山さんらしいオープニング式典に。展示された作品は、代表作『岳』『螺旋』シリーズや、最新作のドイツの古城や風景、雲海に浮かぶ竹田城址のほか、金属箔を使用した新しい試みの世界も並んだ。期間中は、6日間で550人が訪れ、生田神社会館にも花が咲いたようだった。