11月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト: ケンケンさん
(ベーシスト)
漫才の「ザ・ぼんち」のぼんちおさむさんがボーカルを務めるジャズバンドの、ベーシストのケンケンさん。神戸が大好きで、すっかり神戸にハマっているということで話を聞いてきました。
草葉 お生まれは?
ケンケン 生まれたのは奄美大島です。でも四歳ぐらいで関西に家族で出てきて、それからずっと関西です。
草葉 神戸にハマっているとか(笑)
ケンケン 神戸いいねー、大好き。
草葉 やはりジャズの日本発祥の地ということも関係ありますか?
ケンケン まぁそれもあるけどね、やはり雰囲気がいいね。大阪のごちゃごちゃ感が無いし、人もいいですね。
草葉 ライブハウスなんかは?
ケンケン 神戸でも色んなところ出してもらっていますよ、サテンドールとか。
草葉 好きな場所は、そういうライブハウス周辺?
ケンケン それが違うねん。好きなのは自宅がある石屋川周辺(笑) 御影公会堂の近所に住んでいるけど、『火垂るの墓』っていうアニメがあるでしょ?
草葉 野坂昭如さん原作のジブリ作品ですね。
ケンケン そうそう、あの映画の中に御影公会堂が出てきて、見えている位置がちょうど自宅あたりからの景色ですわ。それが何か嬉しくて。
草葉 そういうことですか(笑)
ケンケン でも本当に、海があって、すぐ山があって神戸はいいわ。
草葉 他に何か思い出は?
ケンケン 家から昔のアルバムが出てきて、そこに私が子どもの頃に父親と撮った写真があって、よく見ると写っている場所が新開地とか元町なんですよ。わぁーこんな時に神戸に来てたんかって嬉しくなってね。
草葉 昔は三宮よりも新開地や元町が賑やかでしたからねー。私も新開地がまだ賑やかだった頃を知っています。ケンケンさんと同じように父親に連れられて行った記憶がたくさんあります。
ケンケン いい時代ですよ。それでその写真を見たのを機に、もっと昔の神戸を知りたいと思ってね、インターネットで探したら明治時代の神戸の写真が沢山あって、最近は毎晩見ているから、ずっと寝不足ですよ(笑)
草葉 市電も通ってましたしね。
ケンケン そう! その市電の通っていた場所とか、写真にある建物とかが気になってね、これから色々と回って、当時のことを知っている人に話を聞いて回りたいと思っています。写真や映像はあっても、もうその建物自体がないところがありますよね。だったら、それを知っている人、たとえばここに三越百貨店があったとか、ここに市電の終着駅があったということを知っている人たちに話を聞いてみたいと思っています。
草葉 私も神戸に詳しい方ですが、やはりその時代を生きた人に実際話を聞きたいですね。
ケンケン 絶対に面白いと思います。
草葉 じゃ名刺作った方がいいですよ。神戸歴史研究所・所長というような肩書の。
ケンケン えっなんで?
草葉 神戸の昔が知りたいというだけで、いきなり新聞記者みたいに回っても、なかなか話は聞けませんよ。
ケンケン ベーシストでは無理?
草葉 無理でしょう(笑)
本業の音楽の話はほとんどなく、神戸ええわー 神戸大好き!を連発していたケンケンさん。今は暇があればバイクで神戸の街を走り回っているそうです。私も負けないように、もっと神戸好きになろう(笑)
ジャズ&トーク
11月18日(火) 19:30~22:30
〈出演〉
ぼんちおさむ(Vo) ケンケン(B) 他
〈会場〉
JAZZ LIVE PUB ニューサントリー5
大阪市北区曾根崎2-10-15
〈お問い合わせ〉06-6312-8912
ケンケン
田中券吉さん ベーシスト 1955生まれ
15歳から独学でウッドベースを始め、60歳の現在までベース一筋。国内外から誘いがあり、有名ミュージシャンとステージに立つことも多い
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科
阪南大学国際コミュニケーション学部非常勤講師
ひょうご老舗会実行委員長