10.07
2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎 『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』
主宰・いのうえひでのりさん
俳優・古田新太さん
小池栄子さん
早乙女太一さん
向井理さん
劇団☆新感線が45周年を迎えます。1980年、芝居好きの学生たちが中心となって大阪で旗揚げ。実家に帰省する際、メンバーが新幹線を使っていたからという理由でつけられた劇団名はそのまま、活動の場も作品もスケールも進化し続け、現在は独自のジャンルでファン層を広げる大人気の劇団に。
“ファン感謝祭!”と銘打つ、2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵〜桜吹雪THUNDERSTRUCK』大阪公演、取材会でのお話をお届けします。
Q.みなさんの役どころを教えてください。
古田 幕府に逆らってやっている闇歌舞伎の座長・弾兵衛役です。劇中劇でいろんな役をやるんですけど、全部自分に近づけようとする人で、役の分けようがないんです。全部、弾兵衛じゃねえか!何役もやる必要はあるのか?と思ってます。
小池 私の役は、江戸で花形役者になることを夢見るお破です。橋本じゅんさん演じる親父さまから、芝居とは何ぞやというのを教えられて育ち、最後、念願の『忠臣蔵』をやることができるのかという…。猪突猛進型のとても活発な子です。
早乙女 僕は江戸で芝居小屋をやっている一座の跡取り息子で、看板役者の夜三郎という役です。
向井 僕は真狩天外という劇団の座付作家と、相対関係にある藤川采女という幕府の若年寄、対極にある2役を演じます。
Q.中島かずきさんが書き下ろした今作、どのようなストーリーでしょうか。
いのうえ 芝居をする者たちが江戸幕府の弾圧にめげずに『忠臣蔵』を上演しようとする、忠臣蔵をやりたい人たちの熱い話なんですけど、全体的にお祭りテイストになっています。劇中劇のシーンが多くて、芝居のおもしろさが伝わると思っています。
Q.劇団員や元劇団員が31年ぶりに集結しますね。
古田 橋本じゅんさんとは久しぶりですけど、ほかのメンバーとはしょっちゅう会ってるし、31年ぶりといっても別段何も感じないですね。稽古場は大阪芸大の学食にいる感じです。小池栄子さん、向井理くん、早乙女太一くんもうちの劇団に何度も出ている人たちだから、何の感慨もなく…(笑)
Q.客演の小池さん、向井さん、早乙女さんは稽古に入ってみてどうですか?
小池 玩具箱みたいでめちゃめちゃ楽しいと思いましたよ。でも観てるのと演じるのとでは違いますね…(笑)。啖呵切ったり、走り回ったり、殺陣やったりなので、体力をつけなきゃいけないなと。
早乙女 僕は女方で、今回はセリフの言い方や振付もご指導していただいているので、それに沿ってできたらいいと思っています。
向井 僕は2役ですが、以前、出演した作品も、急に豹変したり、狐に取りつかれたりする役だったので、今までより役柄が少ない感じがしています。しかも2人は対極にいて、言葉遣いも違うのでやりやすいですね。座付作家の役は、中島さんの思いがすごく乗っかっていると思います。
Q.あらためて新感線の魅力とは?
小池 ステージを見ると大がかりなんですけど、現場は本当に手作り感満載で、部活に参加しているみたいに熱いんです。いのうえさんはお芝居が上手なので、稽古では色々演じて見せてくれるんですが、それがすごくおもしろくて。今日はこうしろと言われたけど、明日にはきっと変わるんだろうなとか思いながら指導を受けてます(笑)
向井 劇団員のインディ高橋さんは稽古場で、芝居で立ち回りしていて、いなくなったなと思ったら、小道具を作っているんですよね(笑)
そんな感じなのが、稽古場と劇場に入った時とでこんなに違うお芝居もないなってくらい、違うというか派手になりますね。当日劇場でも指示が入るんですけれど、それが稽古の時にはまったく想像ができていないのでギャップがすごいです。
Q.古田さんの魅力は?
小池 いるだけで存在感があって場面が締まるところがあります。古田さんとのアクションシーンがあって、その時、めっちゃ怖いと思って (笑)。声を張るわけでも、力いっぱいやるわけでもないのに、狂気みたいなものを感じて。静かだけど炎が燃えていて、それが大きくなったり小さくなったり。今回は登場シーンがかっこいいんです。私がお客さんだったら「待ってました!」ってなりますね。
早乙女 以前、古田さんと刀を交えて対峙したシーンがあるんですけど、古田さんって大きくなるんです。怪獣が現れた感じ。ただ立っているだけなのにズルいなと思います。何もしてないのに。本当に何もしてないんですよ(笑)。でも色っぽさとか全部含まれてるんです。
向井 僕の中では昭和の俳優だと思っています。良くも悪くも。なかなか珍しいと思います。この時代に昭和のまま生きていられるというのはすごいことだなと。アップデートする気ないですもん、携帯も持ってないし(笑)
Q.楽しみにしているファンにメッセージを。
古田 「いつか忠臣蔵をやりたいね」って言っていたのが、久しぶりに劇団員が勢揃いする今回になったというところです。忠臣蔵といってもオマージュ満載で敷居は低いので、普段お芝居を見ない方もぜひいらしてください。
小池 貴重なお時間をいただくので、後悔はさせられないなと思ってます。45周年ということで、思い入れのあるファンの方がたくさん見に来られると思うんですよね。その方たちにも納得していただけるよう、日々一生懸命稽古していますので、期待していてください。
早乙女 記念すべき公演に本当に感動しています。おもしろいシーンが稽古場で毎日生まれているので、貴重な奇跡のような舞台になると思います。
向井 『爆烈』と書かれている通り、芝居がやりたい人たちの爆発するような熱い話で、歌も踊りも立ち回りも派手。ここから新たな新感線が始まるんじゃないかなと思っています。
いのうえ いのうえ歌舞伎はドラマチックな話が多かったりするんですが、今回は、以前上演した『月影花之丞大逆転』という強烈なキャラクターが登場する、ネタものに近いお祭りのような芝居です。ぜひ、その楽しさを感じにきてください。

【 作品情報 】
2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演
チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎
『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』
大阪公演
日時:2025年10月9日(木)〜23日(木)
会場:フェスティバルホール
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太 橋本じゅん 高田聖子
粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし
小池栄子 / 早乙女太一 / 向井 理
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎
村木よし子 インディ高橋
山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル
中谷さとみ 保坂エマ
村木 仁 川原正嗣 武田浩二
藤家 剛 川島弘之 菊地雄人 あきつ来野良
藤田修平 北川裕貴 寺田遥平 伊藤天馬
米花剛史 武市悠資 NaO 千葉恵佑
山崎朱菜 松本未優 河野瑞貴
井ノ口絹子 古見時夢
劇団☆新感線オフィシャルサイト https://www.vi-shinkansen.co.jp/bakuretsu45/
公演詳細はコチラ https://kyodo-osaka.co.jp/search/detail/9811
text.田中奈都子












