3月号
兵庫のテロワールを味わう 船上で感じる匠の技|Produced by HAYAKOMA Vol.3
日本文化と神戸の食を融合させる「神戸食」
boh boh KOBEのキッチンから発信
長い歴史の中で培ってきた神戸港の“資源”を活用して震災後の街を元気づけてきた早駒運輸。復興・再建、そして未来に向け、港から文化を発信しようと弦楽オーケストラ集団「スーパーストリングスコーベ」をプロデュースし、女子ラグビークラブチーム「神戸ファストジャイロ」をサポートしている。食文化では、サスティナブルな兵庫湊川隧道貯蔵酒「隧 ZUI」をはじめ、環境と身体に優しいオリジナル米「boh boh 米」、北区の弓削牧場のご協力のもと、バイオガスの副産物消化液を使って栽培する「船上ハーブガーデン」など、SDGsの目標達成に貢献する試みを一つ一つ積み重ね、さらに日本文化と神戸の食を融合させる「神戸食」を港から発信する試みも始めている。
日本料理の第一線で活躍する料理人が監修
懐石料理の伝統を守りながら革新的なテイストを取り入れ高い評価を得ている京都の日本料理店「杦―SEN―」。ミシュランガイド京都、大阪一つ星を獲得した同店の店主兼料理長の杉澤健さんは京料理の名店で修業を積み、「祇園ろはん」料理長を務めたのち、イギリスへ渡った。日本料理を極め、海外に目を向けた杉澤さんの姿勢は、伝統を大切にしながら西洋文化を取り入れてきた神戸の多様性に通じるものがある。
そんな杉澤さんの料理を通じた人柄・しつらえ・おもてなしの心に惚れ込んだというHAYAKOMAブランディングプロデューサーの渡邉美香さん。「2020年9月のboh boh KOBE就航時にレセプションを担当していただいた杉澤さんに無理は承知の上で、船内で提供するお料理の監修をお願いしたところ快諾をいただきました」。
一流料理人から学ぶ味と技
毎月1回、船内キッチンで開く研修会でスタッフたちが杉澤さんから四季に応じた献立の手ほどきを受ける。教えられた技でスタッフが忠実に再現する「玉とじ丼」「ローストビーフ丼」「粕汁」など定番メニューのほか、杉澤流にアレンジされた節目にまつわる伝統料理が毎月提供されている。「一番だしの取り方やご飯の炊き方、煮物、焼き物の基礎から、食材の知識、京料理の仕来りまで、一流料理人に教えていただける貴重な体験です」と美香さん。一方、「お客様が船内で召し上がるお料理を船上で調理するというこれまでにはなかった経験で、初めは不安しかなかったのですが次第に『気を抜くことさえなければ大丈夫』と自信を持てるようになりました」と話す杉澤さん。一流料理人という気負いを感じさせない謙虚な人柄がうかがえる。
船上からサスティナブルなおもてなし
「納得できる食材・設備をそろえていただき、環境を整えていただいています」と杉澤さん。
「『船の上でこんな本格的な味が?!』という意外性をお客様に楽しんでいただきたくて、妥協はしたくないんです。今後は京料理と地元食材を融合させて地産地消にも貢献し、予約制にして食材の無駄を出さず、一人でも多くのお客様に召し上がっていただきたいと思っています」。コロナ禍で予定通りに進まない歯がゆさを感じながらも、神戸港から発信するジャンルを超えた食文化に懸ける早駒運輸の思いは熱い。
boh boh KOBEのご案内
お問い合わせ TEL.0120-370-764(9:00~18:30)
■出航時間:60分クルーズ
※11:00、13:00、15:00、
※17:00
※臨時便。季節・曜日により運休。
運航情報についてはHPを要確認。
■乗船料:大人¥1,800/
中高生・シルバー¥1,500/
小人¥900 ほか
※各種 割引有り
www.kobe-seabus.com
www.hayakoma.com
杦 SEN
店主兼料理長 杉澤健
菊乃井、室町和久傳、祇園ろはんで料理長を務めたのち渡英。
ロンドンでプライベートシェフの経験を積み帰国。
2018年3月に、京都五条柳馬場にて杦 SENを開く。
https://kyoto-sen.com/