2021年
4月号
4月号
連載コラム 「続・第二のプレイボール」 |Vol.14
野球ファンが集う人気ちゃんこ鍋店を経営 中谷忠巳さん
文・写真/岡力<コラムニスト>
引退後にさまざまな世界で活躍する元プロ野球選手の「今」をご紹介します。
大阪ミナミで人気の飲食店。厨房で手際よく調理をする中谷忠巳さんは、かつて関西球界でプレーした元プロ野球選手である。1965年生まれ、神戸市垂水区出身。小学校低学年の時に兄と広場で始めた野球。「あの頃は自由でよかった」と当時を懐かしむ。
中学卒業後は地元の強豪・村野工業高校へ進学、1983年に阪神タイガースのテストを受けてドラフト外で入団した。12年間の選手生活では近鉄バファローズ、オリックス・ブルーウェーブと在阪3球団のユニホームに袖を通した。「現役時代は、仰木さんの下でずっとやってきた。監督のことを聞かれても自分は他を知らないのでわからないですね」と笑いながら振り返る。
引退後は、多くのビジネスマンが行き交う南船場の一角に店舗を開業。 広々とした店内には現役時代のユニホームが飾られている。白板にびっしりと書かれた料理メニュー。この日は、鍋の他に希少部位の「牛ミスジステーキ」と一から茹でて作るホクホクの「ポテトサラダ」を注文した。厳選された素材で作るアテは、お酒との相性も抜群である。そして待つこと数分、「お待たせしました」と現れた名物「ちゃんこ鍋」は鳥がらベースの出汁に肉や野菜の旨味が溶け出し絶品である。シメの黄そばをすすっていると「これ着て写真撮影してもいいよ」と現役時代のユニホーム、ヘルメット、バットが店奥から登場。楽しいお話に耳を傾けながら夜が更けていく。
■ちゃんこ鍋・くわ焼「なかたに」
大阪市中央区南船場2-2-23 赤沢ビルB1
【営】11:30~13:00/17:30~23:30
【休】日曜・祝日 【電】06-6267-0080