4月号
兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第118回
コロナに負けるな! 私たちが気をつけたいこと
─兵庫県も緊急事態宣言の指定区域になりましたね。
西口 兵庫県は1月14日に2回目の「緊急事態措置を実施すべき区域」になりました。当初、その期間は2月7日までとされましたが、感染拡大が収まらず1か月延長され、結局、2月28日に前倒しで解除されました。
─兵庫県での1日あたりの新規陽性者数はどれくらいあったのでしょうか。
西口 1月10日頃は連日300人以上でしたが、2月末の1週間は10~30人まで減少しました。県民のみなさまの努力の成果と言えるのではないでしょうか。早く穏やかな日常が戻ってくることを願います。
─緊急事態宣言が終了し、新規陽性者数も減少しているので、これまでのように厳しい対策は必要ないのではないでしょうか。
西口 いいえ、ここで気を抜いてはせっかくの努力が水の泡です。引き続き基本的な対策を継続しましょう。
─基本的な対策とは何ですか。
西口 いわゆる「三密」を避けるとともに、身体的距離(ソーシャルディスタンス)の確保、マスクの着用、手洗い・手指消毒の励行が基本となります。また、発熱や咳などの症状があるときの外出を控えたり、人の集まる場所での換気を心がけたり、大人数で長時間の飲食をしないなど、日常生活の場面でもさまざまな対策を続けましょう。不便ではありますが、再び感染拡大を引き起こさないためにはみなさま一人ひとりの心がけが重要です。
─例えば「ひょうごスタイル」など、新しい生活様式の行動指針が出ていますね。
西口 はい。これらの指針に留意することが重要なのですが、文字ベースでわかりにくいとの声もあります。そこで、兵庫県医師会広報委員会のメンバーが知恵を絞り、ひと目でわかる4コマまんが「コロナに負けるな!私たちが気をつけたいこと」を作成しました。感染防止対策はもちろん、医療機関への受診方法、コロナ禍におけるメンタルヘルスケア、感染者に対する差別や偏見についても触れていますので、ぜひご覧ください。兵庫県医師会のホームページにもアップしていますので、ご家族やお知り合いの方などへの情報拡散もお願いします。
─「コロナかな?」と思った時はどうすれば良いですが。
西口 かかりつけ医がある方は、いきなり受診せずに前もって電話等で相談して指示を受けてください。かかりつけ医のない方は県や各市町の発熱等受診・相談センターにご相談ください(図1)。また、受診時は必ずマスクを着用しましょう。最後に、どんなに注意しても新型コロナウイルス感染を完全に防止することはできません。もし運悪く感染しても、自分や家族を責めず、心の不調や発熱などの異状があれば遠慮なくかかりつけ医にご相談ください。ただし、受診の際にはあらかじめ電話でのご連絡をお願いいたします。