7月号
中高一貫教育で3つの「シップ」を養う
滝川中学・高校の姉妹校として開校した滝川第二中学・高校。昨年は東大合格者を輩出すると共に、サッカー部が全国制覇を果たすなど文武両道の名門校として躍進をつづける。
滝川第二中学校・滝川第二高等学校 校長
折戸 善信(おりと よしのぶ)さん
学校生活はのびのびと
滝川第二は、1984(昭和59)年の高等学校開校から数えて29年目の若い男女共学校です。自分の志を貫き、華美になることなくコツコツ努力し、幅広く世界で活躍できる人になりなさいという校祖・瀧川瓣三先生の3つの思いに加え、勉強を好きになり、のびのびと学校生活を楽しんでもらいたいという思いが当校の特徴といえるでしょうか。
6年間で3つの「シップ」をステップアップ
中高一貫6年間を「メンバーシップ」「パートナーシップ」「リーダーシップ」という3段階に位置づけステップアップしていきます。中学1・2年生の第1ステージでは、滝川第二の仲間としての自覚を持ち、学習の基礎を固めます。それに加え、「スペシャル・ウェンズデイ」と名づけた水曜日には、午前中は実技系の教科、午後は特に体験を重視し、農園芸体験や高齢者施設でのふれあい体験、各種講演会を聞き将来の進路を考えるなど様々なプログラムを取り入れた特別授業を行っています。
また2年生で行う「進路探究プログラム」の前半では、日本経済新聞のコラム「私の履歴書」をもとに、夢を実現した先人たちの生き方を追って「人物ドキュメンタリー作品」をチームで制作します。選抜されたチームは「クエストカップ全国作品発表会」に出場し3年連続でグランプリをいただいています。後半では、自分自身の過去と未来の履歴書を執筆し、進路意識の基盤を熟成します。これらの経験は、教室でのインターンシップを経て、実在の企業からのミッションに応えていく、中学3年生での「企業探究プログラム」につながっています。
高校の勉強も始まる中学3年生からは、学力向上はもちろんですが国際教育の一貫として、ロンドンでの研修旅行を実施しています。これは高校2年生でのニュージーランドでの語学研修へとステップアップします。高校2年生、高校3年生では進路も決まり、自分の将来をしっかり見据えるとともに、建学の精神に沿って、世の中の役に立つリーダーとして国際社会でも活躍できる人材育成を目指します。
文武両道の滝川第二
中学からの特進一貫・進学一貫コース、高校からの、それぞれに大学進学を見据えたスーパー特進L・特進Lコース、それに加え学習と部活動を両立させるLコース、本校が特に力を入れるサッカー、野球、陸上競技、ブラスバンドなど7つの重点部活動に集中するCコースを設けています。2011年度は東大1名、京大2名、阪大2名、神大5名、2012年度は京大2名、阪大4名、神大5名が合格し、進学校としても次第に認められつつあります。また部活動でも好成績を上げ活躍しています。その中でもサッカー部は毎年ベスト4までは進んでもなかなか達成できなかった全国優勝を昨年果たしました。陸上競技部・ゴルフ部も優勝者を出しています。野球部は甲子園に5回出場していますが優勝はまだなので、これから頑張ってほしいところです。
折戸 善信(おりと よしのぶ)さん
滝川第二中学校・滝川第二高等学校
校長
1970年東京教育大学体育学部卒業。兵庫県立北条高校教諭を振り出しに、県立明石西高校時代には県総合体育大会で総合優勝を遂げる。次いで、兵庫県教育委員会事務局に勤務し、国体誘致および県立武道場の建設に携わる。その後、兵庫県立三木高校、兵庫県立明石高校、滝川中・高校の各校長をつとめる。2011年より現職。