2019年
4月号
4月号
おもしろ有馬楽「第9回 兆楽亭」|有馬歳時記
2月11日、兆楽でもはやおなじみの兆楽亭が開催された。第9回となる今回はいつもと打って変わって、〝神戸のヒストリアン〟こと園田女子大名誉教授の田辺眞人先生に加えて講談師の旭堂南海さんが登場。有馬の大恩人でもある行基上人について、史料にもとづいた歴史家の視点と、創作の要素をプラスした講談師のイマジネーションがバトル?を繰り広げた。
まずは田辺先生が有馬略史を解説の上、唐で玄奘(西遊記の三蔵法師)に学んだ道昭を師とした行基の生涯や功績、有馬温泉との関わりを紹介した。
対して旭堂南海さんは歴代天皇の暗誦からスタートし、行基の物語を迫力ある語りで披露。修験道の開祖、役行者も登場するなど、歴史の隙間を見事な想像で埋める楽しいストーリーに参加者は魅了された。
対談は行基の伝説や現在に息づくゆかりの地の話で盛り上がった。参加者たちはその後、兆楽自慢の料理と湯を堪能。その素晴らしさに、有馬を復興させた行基へ感謝したに違いない。