2013年
3月号
公認会計士試験合格祝賀会(関西会場)

資格の大原は今

カテゴリ:教育・スポーツ

大原簿記専門学校 神戸校
校長 齊藤 伸二さん

日商簿記検定をはじめ幅広い分野での資格取得に定評のある大原簿記専門学校。資格を持つことの意味や神戸校の特色など、齊藤校長にお聞きした。

―簿記専門学校というのは。
齊藤 簿記を中心にして経理知識を身に付けますが、実際は営業職や販売職など色々な職に就きます。計数感覚を持っているかどうかで仕事のやり方が全く違ってきます。そういう意味で簿記の知識は皆さん持ちましょうというのが基本です。公務員試験を目指す学生が試験後に簿記の勉強をするケースなどもあります。
―日商簿記検定に合格しても全員が経理の仕事に就くわけではないのですね。
齊藤 仕事で簿記を使う業種といえば経理ですが、今、経理で毎年何人も採用する企業は少ないですからね。
―簿記の資格を持つことの意味は。
齊藤 実際、経理の仕事は多岐にわたります。その代表が記帳業務です。多少の簿記知識があれば、処理は可能です。パソコンに入力する作業が中心ですので、これは派遣社員やアルバイトでもできますが、専門知識がなければ、単なる数字の羅列に過ぎません。出てきた数字を見て判断し、更に財務という視点から適切なアドバイスまでできるというところに簿記の価値があります。「数字が見えて、数字が読める」のが簿記です。

〝資格を取る〟ということが持つ意味

―数ある専門学校の中でも大原の特色は、資格取得ですか。
齊藤 専門学校はそれぞれに大きな柱となる教育方針を持っています。専門分野の学習にプラスαする部分が特色です。そのαが大原では、より多くの資格試験合格、または、高度な資格試験合格です。勉強の成果を検定合格という形にするというのが〝資格の大原〟というキャッチフレーズの所以です。
―資格を職業につなげるということですか。
齊藤 資格にチャレンジすることはもちろん職業につなげる目的もあります。でも、それだけではありません。例えば、経理の仕事がしたいなら、簿記検定で最低限取らなくてはならない資格があります。検定が近づいてきたら授業後や休みの日に補講などかなりハードな勉強が必要ですが、挫けずに頑張ったら合格! その頑張りに一つの価値があります。
資格は、仕事で直接自分を守ってくれるだけでなく、頑張った経験が辛い仕事にでも立ち向かう自信を持たせてくれます。資格取得については各学科でかなり高いハードルを用意しています。学生が頑張って合格し、社会人として仕事ができるようにするというのが専門学校としての使命の一つだと考えています。
―就職に強いのも大原の特色ですが、どのような指導をしていますか。
齊藤 ほとんどの学生にとって就職活動は初めての経験です。学生が40人いれば40通りの指導が必要ですから、担任が個別面談などで、一人ひとりに対応していきます。また、大原学園は東京に就職本部がありますから、全国に向けて求人情報が発信され、逆に神戸で得た情報は東京本部を通じて全国へ発信されます。求人に関しての情報が非常に多いことも就職率の高さにつながっています。
―歴史の長い大原学園ですから、活躍している卒業生も既にたくさんいるのでしょうね。
齊藤 神戸校は平成13年の開校ですが、大原学園は昭和32年に東京で設立された大原簿記学校に始まり、関西初の大阪校が昭和56年に開校しました。全国で卒業生たちが活躍しています。「頑張れば道は開けてくる」と学生たちに話すと、とても励みになっているようです。卒業式や入学式ではできるだけOBに来てもらって、「社会人になるということはどういうことなのか」「そのためには、今何をしなければならないのか」を話してもらっています。

集団の中で自分を生かし、他の人を生かす

―神戸校にはどういった学生さんが、どの方面から通っていますか。
齊藤 公務員を目指す学生が最も多く、医療事務やスポーツ系コースの学生も多いですね。東方面は大阪校がありますので、神戸以西の学生がほとんどです。
―卒業後はやはり地元就職希望が多いのですか。
齊藤 学科によって違います。医療事務や公務員は地元希望が多く、大手企業希望の場合はまず東京採用というケースもあります。
―社会人も勉強できるのですか。
齊藤 大学生や社会人の場合、週5日全日制に入学して学習する専門課程と、大学に通いながら、また仕事をしながら土日や夜間に通う社会人課程の2通りがあります。社会人課程に入学するのは簿記検定を目指す方、税理士、会計士を目指す、また最近は社会保険労務士、行政書士を目指す方も多いですね。大学に通いながら公務員試験の受験勉強に来られる方も多くおられます。
―神戸校の特色は。
齊藤 私は一年に何度も教室を回り、頻繁に学生たちに話をします。感じるのは、最近の若い人たちは、親しい者同士は仲良く一緒に行動するのですが、話もしたことがないという人たちが集まって何かをするとなると行動意欲や参加意識が鈍ってしまいます。グループの中でどうやって自分を生かし、他の人をどう生かすかをイベントやクラブ活動を通して体験してほしいと思っています。
―クラブ活動やイベントとは。
齊藤 専門学校では珍しく、大原はクラブ活動も結構盛んです。専門学校が集まる体育連盟の大会で、今年は野球、サッカー、テニス、卓球が関西の予選を勝ち抜き、全国大会に出場しました。他にも、バレーボール、バスケットボール、バトミントン、ソフトボール、電卓部が活動しています。また、毎年6~8月にかけて大原富士宮ビガークラブでの研修でコミュニケーション能力を豊かにします。秋には大原学園最大のイベントであるスポーツフェスティバルを開催し関西・北陸併せて9校の学生が集まります。神戸校は応援の部3連覇、総合優勝2連覇中です。1つの目標に向って、神戸校全体が一丸となり、一つの作品を完成させた結果と思っています。
―色々なことに取り組んでおられるのですね。
齊藤 人間形成も専門学校の一つの役目ですし、2年間、勉強だけではつまらないですからね。
―さて春の入学シーズンも間近。大原へはどんな人に来て欲しいですか。
齊藤 「これからこんなことがやりたい」という思いを持っている人です。「自分はこんな職業に就きたいから、そのために必要な勉強をします」という明確な目標を持った学生が集まる学校でありたいと思っています。「資格を取る」「そのために努力すること」そして「集団の中で自分がすべきことは何か」の3つを2年間で習得してほしいと思っています。
―優れた人材育成のために今後もご尽力ください。ありがとうございました。

大原学園神戸校


公認会計士試験合格祝賀会(関西会場)


菅平研修所は大原学園の関連会社が所有している施設になる。


富士宮研修所は大原学園の関連会社が所有している施設になる。


毎年開催されるスポーツフェスティバル


大原簿記専門学校神戸校

神戸市中央区八幡通4-2-5
月~土 9:00~22:00
日・祝 9:00~19:00
TEL.078-222-8699
http://www.o-hara.ac.jp /osaka/

齊藤伸二(さいとう しんじ)

1957年生まれ。山形県出身。大原簿記学校(東京校)に入社後、1981年大原簿記専門学校大阪校開校に伴い同校に異動。以後、教務部長、教頭を経て、2001年大原簿記専門学校神戸校開校より同校の校長に就任。現在に至る。

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