7月号
極上のブランド豚 南の島豚
きわめて革命的な味。そう言っても過言ではない。
豚肉はふつう、脂の味が濃厚で赤身は少し味わいが薄い。しかし南の島豚は全く逆。脂は実に淡白で甘い。融点が低く、マグロのトロのように舌と一体化するがごとく溶ける。一方の赤身は旨味が濃厚で、噛めば噛むほどに舌に染み入るようだ。
この既成概念を覆す味わいは、科学的にも立証されている。脂肪組成では不飽和脂肪酸を多く含み、その一種のオレイン酸の含有量は43%にものぼる。旨味成分ではグルタミン酸が一般的なナチュラルポークの2~3倍。イノシン酸との相乗効果では6~7倍と驚異的なデータだ。
その秘密は品種とエサにある。南の島豚は沖縄の至宝とも呼ばれるアグー豚を種豚とし、赤豚のデュロック種などと交配したもの。アグー豚は戦争の混乱などで絶滅の危機に瀕した幻の豚ゆえ、その系譜は限られている。肉質良好、黒毛、資性温和な点は、但馬牛と相通じる。
エサには芋焼酎の絞りかすを利用。抗酸化成分のビタミンEを多量に含み、豚の健康はもちろん、肉質も向上させる。もともと焼酎かすは水分が多く、利用価値の低さから投棄されていたが、宮崎大学との共同研究で、焼酎かすを発酵し得たメタンガスを燃料にして乾燥し、飼料にリサイクルしている。徹底したエコロジーだ。
飼育しているのは、海にも近く温暖な宮崎県川南町の永田種豚場。シーガイアや青島などリゾートと違わぬ自然環境で、豚たちはのびのびと暮らしている。豚舎は清潔に保たれ、愛情込めて育てられている。
少産で成長も遅いため飼育頭数は限られ、管理も難しい。ゆえに希少価値が高く、神戸でいただけるのは北野ガーデンのみ。
「はじめて食べたとき、こんなに美味い豚肉があるのかと感動しました。その感動をみなさんもぜひ」と南の島豚を販売するテンナの達脇寛社長。南の島豚は通販でも購入可能。このトンでもない常識破りの味覚、ぜひご体感あれ!
■株式会社テンナ
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