10月号
街のオアシス、住吉川をきれいに
住吉川清流の会は、川をきれいにしようと川沿いの地域団体等が集まって結成され、36年目を迎えています。主な事業として、年に2回のクリーン作戦と名づけて、6月と10月に川の一斉清掃を行います。住吉川周辺の住民、学校や地域団体の人たちで、子どもから年配の方まで幅広い世代が活躍し、河口から白鶴美術館あたりまでのおよそ3キロの範囲に、毎回1000人以上の参加者が見受けられます。
また、川中の遊歩道で飼い犬と一緒に散歩される方も多いところから、飼い犬パトロールとして、犬のフンの始末や危険のないようにマナーの向上を呼びかけています。このような行事を通じて、川を汚さないようにしようという気持ちが伝わっていくものだと思います。
清掃以外にも、住吉川にもっと親しんでもらおうと、夏の真っ盛りに住吉川親子水辺フェアを開催し、川に金魚を放流してすくい取りを楽しんだり、水辺の生き物を観察できるような行事もしています。夏休みの期間中には、小学生や幼児を対象に住吉川絵画コンクールを企画し、毎年100点あまりの応募があって、川の様子の移り変わりが描かれる等、楽しい力作が寄せられています。また、蛍の幼虫とその餌になるカワニナを放流しています。初夏には蛍が舞う様子が見られます。
かつての住吉川両岸には80両ほどの水車があって、精米や菜種絞りなどを行う水車産業が盛んな時期がありましたが、昭和の初めごろにはその姿を消していたようです。今では七両場、八両場などの水車跡の地名が残っているのみです。
一方、この住吉川はたびたび氾濫して周辺に被害があったと言われています。私が小学生の頃、阪神大水害がありました。一週間くらい雨が降り続いたでしょうか。住吉川が溢れて山手幹線になだれこみ、大きな岩や家屋の屋根がぐんぐん押し流されるのを見て驚きました。この大水害の後、引き続いて治水が進められ、今では安全な川になっています。川の両側には遊歩道「清流の道」が設けられており、住民にとってありがたい施設となっています。散策やジョギングを楽しむ方が後を絶ちません。この遊歩道が埋め立て用の土を運ぶダンプカー専用の道路であったのは、40年以上も前のことでした。
川の沿線には昨年図書館も加わり、文化施設や学校も多い文教に恵まれた地区へと発展しています。さらに段差の多いこの川に魚道が設けられ、阪急近くまで鮎の溯上が見られます。鮎が魚道を伝って必死に登る様子に、遊歩道から拍手や声援を送ったりすることもあるんですよ。親しみやすいこの川を守るよう、今後も活動を続けていきたいですね。