11月号
須磨の魅力を勝手にどんどん発信!
お話 尾崎 秀則さん
〈須磨勝手に観光協会会長〉
須磨は一年中スカイブルーでハッピーな観光地!
―まず「勝手に」観光協会というのは…
当協会は若い人たちにもまちづくりのステージに立って、楽しみながら須磨を盛り上げようということで作られた協会です。本家・須磨観光協会の小池会長とも親しくさせていただいていますので、お墨付きをいただいていますよ(笑)。もともとは「須磨を西海岸化し隊」というグループ名で2007年から活動をスタートさせました。というのも、アメリカ西海岸のサンタモニカのビーチあたりは、須磨と同じ気候なのですが、あちらは年間通じてのリゾート地なのに比べて、残念ながら須磨海岸の方は、夏の海水浴シーズンが終わると、海のイメージがなくなってしまう。そこで、年中通して須磨をアピールしていこうと集まって知恵を出し合っているわけです。中心メンバーは10人程度で、私もレストラン(創作ダイニング「NENGOROYA」(ネンゴロヤ))をやっていますが、皆さん商店主さんがほとんどですから本職の合間をぬってですね。
―これまでどのような活動を?
まず活動の主旨として「一過性のイベントはしない」ということがあります。一時だけ盛り上がるイベントを行っても、まちの活性化にはつながらないのではないかと思うからです。初めて成功したのはご当地サイダー「須磨水ぷくぷくサイダー」の発売で、こちらは今も人気のロングセラーです。その後、ご当地ビール、須磨海苔を使った海苔チョコ、須磨をバーベキューの聖地にし、そのおみやげにしてもらおうと企画したところ海岸でのバーベキューが突如全面禁止になってしまったといういわくつきの「BBQソルト」などたくさんのご当地商品を企画販売してきました。人気がなくて終了したものも多数ありますが(笑)。商品の売上は、また次のまちづくり活動費に充てています。
いちばんのヒット商品となったのは「磯馴味噌(そなれみそ)」です。磯馴味噌というのは麦みそで、江戸時代の文献に「須磨に行くなら味噌を買ってこい」と書かれていたほどの須磨の名物で、西国街道沿いには味噌屋が10軒ほど並んでいたようです。そんな須磨名物を復活させようと、古い文献を集め、西区の味噌屋さんの協力のもとで2年の歳月をかけて作り出しました。何せ資料が少なく、試行錯誤しましたが、これもたくさんの方々のつながりのおかげで再現できたのです。磯馴味噌は「おかず味噌」なので、ご飯のお供に、また野菜や田楽に、お酒のさかなにもなりますし、バニラアイスに少量のせていただくとこれがまた合うんですよ!
須磨の海、自然の魅力を地元神戸の人に感じてほしい
―次々に新しいことを企画しているのですね。
今年の秋には、初めて「須磨デジタルデトックス」という企画を行い大変好評をいただきました。デジタルデトックスというのは最近海外で広がっている活動で、スマホやパソコン、携帯電話などのネット環境やデジタル機器から離れようというものです。皆さん、登山なんかに行かれても、写真を撮ってはSNSに投稿し、休憩中にはコメントに返信して、と忙しいですからね(笑)。このイベントではそういったネット環境を遮断し、須磨浜でビーチヨガ、サンセットヨガ、ウォーキングをしたり、須磨寺でのヨガや瞑想などのプログラムを楽しんでいただきました。
須磨は古くから、人々の保養地として栄えた場所です。そんな役割をもう一度取り戻し、須磨の大自然の中でのウェルネスやフィットネスといった癒しを提案していきたいと考え、このイベントを企画しました。夏の海水浴シーズンを終え、秋から春にかけての須磨で、海本来の魅力を感じていただきたい。しかも、須磨や神戸の地元の人に、もういちど須磨の海の魅力を体感していただきたいのです。これからも楽しみながら須磨をPRしていきたいと思っています。