2015年
10月号
10月号
有馬温泉特集 「金」「銀」二つの名湯
金泉
塩分と鉄分を多く含む赤湯は「金泉」と呼ばれる。海水よりも塩分濃度の高い湯が、肌を包むように薄い皮膜をつくり、温泉を出ても保湿効果が続く。また、多く含まれるメタ珪酸という物質が肌触りを柔らかくし、湯冷めもしにくい。刺激の強い湯はややひりひりとするが、高い殺菌作用があるため感染性皮膚疾患や慢性湿疹に効果がある。また、豊富に含まれるカルシウムイオンは神経系の疾患に効果が期待できる。
銀泉
一方、濃厚な金泉に対してサラサラとした無色透明の湯を「銀泉」と呼ぶ。銀泉にはラドン泉と二酸化炭素泉の2つが存在する。ラドン泉は新陳代謝を促進し、また呼吸器から吸入したガスが全身の組織へ到達することで、毛細血管が広がり血流が良くなり、自然治癒力が高まる。二酸化炭素泉は、飲むと炭酸の爽やかな喉ごしが楽しめ、気管支性喘息や軽度の末梢性動脈血行障害にも有効とされている。