2023年
4月号
4月号
コミュニケーションを大事にする二宮侑紀さん
神戸のカクシボタン 第112回
「らしさ…」を活かしお客様のニーズに応えたい『鮨と藁焼き 漁火』店長・二宮侑紀さん
夜更けの三宮、「本格寿司」という看板に魅せられ入った一軒のお店でカウンターを二度見した。「初めて来店された方は、みなさん驚かれます」と店長の二宮侑紀さんは笑う。愛媛県から保育士を目指し神戸の大学へ進学するもアルバイトで出会った飲食業に興味をもった。市内で和食店を展開する『㈱にんべんフードサービス』入社後は仕入れから調理に至るまで様々な基礎を学び、昨年より20代の若さでお店を任されるようになった。彩豊かな魚介を指さし注文すると手際よく捌き、江戸前赤酢を使用したシャリを細かくつまむ。絶妙な加減により口の中でほぐれる握り寿司は、常連客の間で評判を呼んでいる。一風変わったところではウナギバターやサーモンユッケにとろろ芋を合わせた変わり種が人気。アテにも最適な「トロタクタワー」や「漁火巻」は五感で楽しめる逸品となっている。「コロナ禍は大変でした。最初は手探りでしたが今後はお店を定着させながら色々な事にチャレンジしていきたいです」と抱負を語る二宮さん。
たまたま出会った神戸の板場では次世代を担う新しい風が吹いていた。
藁焼きカツオにニンニクを効かした「漁火巻」
細巻2本分を使用した「トロタクタワー」
コミュニケーションを大事にする二宮侑紀さん
鮨と藁焼き 漁火
神戸市中央区下山手通2-11-1 KSMビル4階
【電】078-391-1329
■岡力（おか りき）
コラムニスト・放送作家
ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」（大阪日日新聞）「球友再会」（月刊神戸っ子）
