2022年
2月号
2月号
木のすまいプロジェクト|平尾工務店|瓦編|Vol.1
失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。
連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。
日本瓦の歴史
今回から、日本建築に欠かせない屋根材、瓦についてご紹介していきます。
瓦は飛鳥時代、仏教文化とともに大陸から日本へやって来ました。『日本書紀』には崇峻元年(588)、百済から仏舎利や僧などとともに寺工2名、鑢盤(仏塔の相輪の部分)博士1名、瓦博士4名、画工1名が来たという記述があります。これらの技術者たちを招いたのは、蘇我馬子が日本初の本格的伽藍の寺院、法興寺(飛鳥寺)を造営するためで、その時につくられた瓦は現在も、奈良の元興寺本堂の屋根に使用されています。
その後は主に寺院建築で瓦が用いられるようになり、奈良時代の国分寺の建立によって瓦の製造や瓦葺きの技術が全国に広まりました。しかし、平安時代には檜皮葺が流行し、しばらくは不遇の時代が続きます。
鎌倉時代になると戦乱復興での伽藍再建や、新たな仏教の誕生などによる寺院創建で再び瓦の需要が増え、室町時代には技術も進化。戦国・安土桃山時代にはお城という新たな「お得意先」もできました。
庶民の家に瓦が用いられるのは江戸時代。それまでは平瓦と丸瓦を組み合わせていましたが、1674年に西村半兵衛が隣の瓦とかみ合わせる桟瓦を発明し軽量化とコスト削減に成功。さらに吉宗公の時代、江戸では火事防止のために瓦葺きが奨励されるようになり、町家に瓦屋根が普及していきました。
明治になると西洋の技術を導入し近代化、現在はトンネル窯による自動化も進み、良質の瓦を安定的に生産しています。
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