6月号
学びと集いの場 「神撫100周年記念会館 -Astra Hall-」
兵庫県立長田高等学校同窓会「神撫会」、PTA、学校の三者による「創立100周年記念事業推進協議会」で計画、学校関係者から寄せられた多くの寄付によって建設が進められてきた会館が完成。
4月17日、新型コロナウイルス感染症対策を取り人数を制限した上で、
音楽部・生徒会など在校生、卒業生、PTAをはじめ学校関係者が参加し落成式が開催された。
学校敷地内の一角に建設された会館は三角屋根で2階建て、黒一色の外観。内部は壁の白を基調に、床、柱、天井、梁には木材が使われぬくもりを感じさせる。名称は事前に学校ホームページで卒業生・在校生に広く募り協議会で選考の結果、「神撫100周年記念会館―Astra Hall―」に決定し式典当日に披露された。「神撫」は近藤英也初代校長の掲げた「神撫教育」の理念「個性と自由を尊重し自立を目指す」、「Astra」は神戸三中時代から卒業生に贈られてきた記念メダルに表記されていたラテン語「Ad astra」(星に至らん)に由来する。この2つのキーワードを使って応募した3名が表彰された。
設計を担ったのは卒業生で一級建築士として活躍する宇賀亮介さん(高41回生)。「学校関係者のための集いの一軒家」「木の設えによる温かく素朴な空間」「学校の歴史や風韻が感じられる場所」をコンセプトに設計するのと同時に、戦災も免れて所蔵されていた100年分の卒業アルバムの写真をはじめ、学校収蔵品を館内あちらこちらに散りばめた。その時々の長田校生たちの生活や青春の息吹が伝わってくる。「長田高校の文化と歴史を感じ取り、学び、交わり、新しい記憶がさらに蓄積されていくことを願っています」と今の思いを語った。
玉田敏郎協議会会長から山根尚校長へ目録、第26代生徒会長でもあった石井孝一企画調整委員長から半世紀近い時をへて第74代の妹尾洸季生徒会長に鍵がそれぞれ贈呈された。校長と生徒会長は感謝の意を伝えるとともに、「この会館を学びの場として使わせていただき次の100年へとつないでいきます」という力強いメッセージで応えた。最後に100年間のアーカイブ映像がダイジェスト版で紹介された。約40分間の全編はタブレットで視聴可能。中心になり制作に携わった子守康範広報委員長は、「たくさんの方に協力いただき良い映像ができました。会館に来られた折にはぜひご覧ください」と話している。