2021年
5月号

見た人を必ず元気に、希望ある未来へ 「コシノヒロコ展」

カテゴリ:文化・芸術・音楽, 文化人, 神戸

世界的ファッションデザイナー・コシノヒロコが、どうしてもこの場所で開催したかったという特別展「コシノヒロコ展」が兵庫県立美術館で開催中です。6月20日(日)まで。
歴代コレクションで発表してきた洋服や着想の源となった絵画、若手アーティストとのコラボレーションを通して語りかける未来が、ここにあります。
4月7日に開かれた内覧会から、コシノヒロコさんと安藤忠雄さんの言葉を紹介します。

すごく元気になる展覧会

「どうしてもこの場所でやりたかった」とコシノヒロコさんが語る展覧会。その理由は、芦屋に建つ安藤忠雄設計の自邸での30年以上にわたる創作活動にあります。無機質な部屋の中で考え、生まれたいくつもの発想。これを表現する大きな展覧会を安藤建築の県立美術館で開催するのが、長年の夢だったそうです。
計画が動き出したのは5年前。東京オリンピックが終わり、世の中が少し落ちついた頃なら国際的な感覚でモノを見てもらえると考え、2021年開催と定めて5年間、夢中で考えてきたという。
約60年にわたるファッションとの生活で生みだした所蔵作品約2000点と自作絵画約1500点の中から選りすぐった作品約450点を自ら再びコーディネート。「私自身、過去の作品を一堂に見た時、とてもエネルギーを感じた。コロナで世の中がふさぎ込むなか、見た人を必ず元気に、次への希望へつないでもらいたい」という強い気持ちが込められています。

コシノヒロコが見せたいもの

安藤忠雄さんの建築の中で、ずっとクリエーションをやってきた
コシノヒロコ
(ファッションデザイナー)

40年前、芦屋の奥池に安藤さんにお願いして家を建てました。部屋の中のどこを見てもグレー。グレー一色の無機質なコンクリートの中で、色が出てき、形が出てき、私のクリエーションは生まれてきたんです。とても寒かったけど、感謝しています。寒さに打ち勝っていく気構え、これがとても大事なのです。全てがうまくいくと、人間はボーッとして、真剣にモノを考えなくなります。クリエーションは、ハングリーな中で生まれてくるのです。

これからは感性の時代

5年前の計画時は、自分のことを見てもらいたい。次へとつなぐ子どもたちに、見て感動してもらいたい。そういう考え方が一番大きかったわけですが、コロナ禍に改めて次の社会のあり方を考えさせられました。
だた見てもらうのではなく、いかに世の中の人が元気になって、新たな美しい国を創っていけるか。若い人たち、子どもたちが本物の美しさにふれ、次の素晴らしい日本を形成してもらいたい。我々が真剣に考えていかなければならない時代だと思うんです。
今、コロナという信じられないくらいの事柄を、世界中が体験しています。今回、「もう一度白紙に戻してスタート」。それぐらいの気構えで、私が今までため置いたモノ全てを純粋に放り出しました。純粋に受け取って、元気になって欲しい。そして、日本ってこんなにステキな国なんだな、こんなに感性が豊かなんだと感じて欲しい。これからは感性の時代です。この展覧会がどのような影響を与え、子どもたちや多くの人たちが感動してくださるか。私はそれを切に望んでいます。

安藤忠雄の思い

夢と希望を持ち帰って
安藤忠雄 (建築家)

多くの作品をじっくり見て、恐ろしいほどのエネルギーを感じました。このままだと、どこへ行かれるのかと。たくさんのファッションデザイナーの方々と仕事をしてきましたが、コシノさんほどエネルギーを感じる人は少ないです。1977年に家を建てたいと相談を受け「使いにくくてもいい。少々寒くてもいい。美しくなければならない」と言われ設計しましたが、テレビに出られるたびに「安藤さんの家は、悪くはないけど寒い、寒い」と(笑)。でも、寒さの中で、夢と希望を持ち続け、乗り越えてきたが故に世界に誇れるデザイナーになられたのではないかと。今、コロナという苦難の先に、我々はどうするか。そこに必要なのは、夢と希望なんです。作品を見る時には、しっかり見て、その心、夢と希望だけは心の中に残して、帰っていただきたい。そして、多くの人の心へつないでくれればと思っています。

「コシノヒロコ展」の見どころ

「アートとファッションが一体になった大規模な展覧会は、おそらく世界で初めて」とコシノさんが語るように、アートを基盤にしながらファッションを表現しています。
展示は、14のオノマトペ(擬音語・擬態語)でテーマを構成。巨大なヒロコちゃん人形(フワフワ)に始まり、色彩豊かなアートで満たされた部屋(ルンルン)や白と黒を基調にした部屋(ビュー)、若手アーティストとのコラボもあり興味深い。圧巻は、歴代コレクションから選りすぐった106点の作品が居並ぶ空間(ワクワク ドキドキ)。ドビュッシーの曲が流れ、今にも歌い踊り出しそうです。最後には、子どもたちとのコラボから生まれた笑顔に元気づけられます。
作品を近くで細部まで鑑賞できるのも貴重ですが、作品全体からあふれ出るコシノワールドは、間違いなく元気を与えてくれます。

コシノヒロコ ≪WORK#1615≫ 2016年


兵庫県立美術館
特別展 コシノヒロコ展
−HIROKO KOSHINO EX・VISION TO THE FUTURE 未来へ−

■会期 4月8日(木)〜6月20日(日)
■会場 兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)
■時間 10:00〜18:00(金・土20:00まで、入場は閉館30分前まで)、予約優先制
■休館 月曜日(ただし5/3<月・祝>は開館、5/6<木>は休館)
■料金 一般1,800円、大学生1,400円、70歳以上900円、高校生以下無料
■交通 阪神「岩屋駅(兵庫県立美術館前)」から南へ徒歩約8分
■お問い合わせ TEL.078-262-0901(代)、TEL.078-262-1011(予約)

兵庫県立美術館 第2展示棟(Ando Gallery)には安藤忠雄設計の小篠邸模型が展示されています。

月刊 神戸っ子は当サイト内またはAmazonでお求めいただけます。

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