4月号
harmony(はーもにぃ) Vol.26 危機や難局は 乗り越えるためにある
日本人で初めて難民高等弁務官を10年務めた緒方貞子さんが昨年の10月に亡くなって半年になります。改めて緒方さんの著書を読んでみて、緒方さんが私たちに残した言葉について考えてみました。
「現場感というものがなくて、人は説得できないと思いますよ。現場の感覚がないと、こうしたらどうですか、ああしたらどうですか、と提言はできません。」
「考えてみたら、命を守る以外ないんですね。最後は。どこであろうともね。生きてもらうことに尽きてしまうんですよね。それが人道支援の一番の根幹にあると思います。」
現場に立ち、目の前の命を守ることを何よりも優先する、そこから生まれたのが現場主義という緒方さんの信念でした。
「日本は今、非常に内向きになっていると思います。これは外国人労働者の問題もありますし、それから難民の受け入れにも問題があるのです。内向きになって自分のことだけでなく、広がりを持った日本を作っていただきたい。」
「何でも見てやろう、何でもやってみよう、という意気を持って若い人には生活していただきたい。危機や難局というのは乗り越えるためにあるのです。」
最後に緒方さんからのメッセージを。
「制度や法よりも前に、まずは人間を大事にしないといけない。
耐えられない状況に人間を放置しておくということに、どうして耐えられるのでしょうか。そうした感覚をヒューマニズムと呼ぶならそれはそれで一向にかまいません。
でもそんな大それたものではない人間としての普通の感覚なのではないでしょうか。
見てしまったからには、何かをしなければならないでしょう?したくなるでしょう?理屈ではないのです。自分に何ができるか、できることに限りはあるけれど、できることから始めましょう。」
「聞き書 緒方貞子回顧録」
野村 健・衲家正嗣編等 より
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