7月号
COMING KOBE19-カミングコウベ
一般社団法人COMIN’KOBE実行委員会 藤井〝風次〟治博さん 村上 雅之さん 吉川 哲平さん
新たな一歩を踏み出した「COMING KOBE」
夢のあるステージにしたい!
2005年に始まったロックフェスティバル「COMING KOBE(カミングコウベ)」。今年で15回目を迎え、5月11日、神戸空港島多目的広場で開催された。被災地の復興を支援するという松原裕さんの遺志を受け継ぎながら、実行委員会のメンバーを中心に新たな一歩を踏み出している。
―今年のカミングコウベも盛り上がりましたね。
風次 無事に終わってホッとしています。会場が海沿いなので心配していたのですが、いい天気に恵まれてよかった。以前から視野には入れていた会場なので、来年以降の開催も完成形を目指して考えています。
村上 出演アーティストたちもステージ上で「来年もやろうぜ!」と盛り上がっていました。例年は1万から2万人の来場者がありましたが、今年は約5千人。初めての会場ということもあり安全を考慮し、無理のない設定で開催しました。10連休明けの開催で、業者さんと連絡が取れない、返信がないなど、「ほんまにちゃんとできるのかな?」と心配しましたが…気が付いたら終わっていました。
吉川 毎年この時期は「太陽と虎」の営業もありつつなので大変で、今年もヘトヘト。天国の松原さんに連れて行かれるかと思いました(笑)。
―松原さん不在はやはり大きかった?
風次 3年前、病気が分かったときから松原は覚悟はできていましたから、仕事はそれぞれ振り分けてきていました。今年、急に慌てるようなことはなかったですね。
吉川 僕にとっては上司なのでよく怒られましたが、仕事を分担して引き継いでいこうという気持ちはすごく伝わってきていました。
村上 松原は今年も、本部の募金箱の横にいましたからね。僕たちが写真を横に置いて〝ちゃっかり松原〟を演出しただけなんですけど(笑)。
―厳しい闘病生活の中でのブログは自虐ネタも含めてユーモアに溢れていましたね。
村上 おもしろかったですけどね…。
風次 僕たちも読んで笑っていいものやら…。元々、ユーモアのセンスはあったのでしょうが、彼はライブやステージでもお客さんをいかに楽しませるかということをいつも考えていましたね。
―募金は毎年、全国の被災地に寄付しているのですね。
村上 一昨年までは被災地の学校へ、芝生やサッカーボール、ベンチ、ストーブ、ライト、防災頭巾など物品を贈ってきました。
風次 昨年から松原の発案で、スタッフやアーティスト、行政からの参加者などが集まって、募金をして終わるのではなく、どこへ、どういう形で渡すのかを考える会を開いています。災害はいつ来るか分かりませんから、その時に備えてプールしておくというのも一つの考え方ではないかという意見も出ています。
―来年に向けての抱負は。
風次 大勢の人に来てほしいというのが基本です。力を貸してくれるアーティストには全員参加してもらい、地元の無名のバンドが小さなステージに立ち、だんだん成長して一番大きなステージに立つ。こんなストーリーも生まれる夢のあるステージであり続けたいと思っています。今年はやむを得ず断ったアーティストもいたのですが、来年は草刈りもしてもっと場所を広げ、ステージの数を増やさないと…そのためにボランティアにもたくさん集まってもらって(笑)。
村上 ステージ、アーティストをもっと増やしたいですし、企業さんの協賛も増えていったら嬉しいですね。
―若者が集まるまち・神戸のためにも大きな力になると思います。今後に期待しています!